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月輪

提供: 新纂浄土宗大辞典

つきのわ/月輪

京都市月輪寺(右京区嵯峨清滝月ノ輪町)の所在地名。『月輪寺縁起』によれば、天応元年(七八一)に、地中より「人天月輪」と刻された古鏡が掘り出され、それが月輪寺の寺名の由来とされ、地名にもなったと考えられる。この地には、空也が竜女を教化したという伝説がある。また九条兼実の別荘地であったとも伝えられ、建永の法難の際、法然親鸞と共に訪れ、別れを惜しんだという逸話が残されている。


【資料】『愛宕鎌倉山月輪寺縁起』


【参照項目】➡月輪寺


【執筆者:東海林良昌】


九条家伝領の地であり、九条兼実出家後山荘を営んだ地。その山荘を月輪殿と呼び、兼実の呼称ともなったと考えられる。弘安三年(一二八〇)に東福寺の境界を記した『東福寺四至之文』には、「東は月輪殿の堀路通に限り」とあり、現在の京都市東山区東福寺の東から泉涌寺せんにゅうじに至る辺りを言う。


【資料】『拾遺都名所図会』二、『都林泉名勝図会』三


【参照項目】➡月輪殿


【執筆者:東海林良昌】


京都市左京区の聖護院付近にあった地名。かつての弥勒堂の西に位置し、九条兼実の別荘旧址であり、親鸞が居住したこともあるという。この地にはかつて月輪院という寺があり、近くに流れる川は月輪川と呼ばれたという。


【資料】『拾遺都名所図会』二、『花洛名所図』四


【執筆者:東海林良昌】