操作

念仏往生要義抄

提供: 新纂浄土宗大辞典

ねんぶつおうじょうようぎしょう/念仏往生要義抄

法然述。念仏往生のための肝要を記した書。まず末法の人々は、行い易い念仏を修めて、生死輪廻から逃れるべきであるとする。また、その他の教えも釈尊の説いたものではあるが、末代の人々の器量はこれに及ばないとし、称名念仏こそが末代の人々のための教えであり、往生を信じ念仏を称えることですべての人が往生を遂げることができるとする。これに続けて、①称名念仏を修する人はみな往生できるか②他力自力聖人と在家の念仏の勝劣⑤心の澄むときと妄念の起こるときとの念仏の勝劣⑥一声と十声の念仏功徳の勝劣⑦臨終時と平生の念仏の勝劣⑧知者と愚者の念仏の差別についての問答があり、最後に、念仏往生の対象となる者(機)とそのための実践(行)を明かし、常に念仏を称え阿弥陀仏本願を頼みとするべきであるとする。


【所収】聖典四、昭法全六八一~八


【執筆者:石田一裕】