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応声教院

提供: 新纂浄土宗大辞典

おうしょうきょういん/応声教院

静岡県菊川市中内田。松風霊山護国本寺皇円阿闍梨菩提所。桜ヶ池奥ノ院と通称。静岡教区№一三三。円光大師御遺跡四十八所の番外札所。法然桜ヶ池に赴いたときに別時念仏を修したと伝える遺跡。寺伝によると、斉衡二年(八五五)慈覚大師円仁が文徳天皇の勅願所として天台宗天岳院を創建。治承(一一七七—一一八一)の初め頃、法然真観房感西ら四~五人の門人を連れて桜ヶ池を訪れ、師の皇円化身大蛇に転生した苦患を念仏功徳で除いた。法然は都から持参した阿弥陀仏を当寺に安置し、七日間の別時念仏を始め、浄土門念仏弘通道場として天岳院から寺号を改めて感西住持としたが、のち感西弟子の岌演に寺務を譲り帰京したという。山門は国重要文化財で、寛永五年(一六二八)に徳川秀忠が宝台院(静岡市葵区常磐町)に建立したもので、大正七年(一九一八)に移築されている。


【資料】名村愚仙『円光大師御遺跡四十八所口称一行巡拝記』、『破顔微笑阿弥陀如来霊像略縁起』(簗瀬一雄『社寺縁起の研究』勉誠社、一九九八)


【参考】浅井天察『遠州桜ヶ池由来演説』(応声院、一八九三)、御手洗清『桜ヶ池と応声教院』(遠州出版社、一九七三)、浄宗会編『円光大師法然上人御霊跡巡拝の栞』(知恩院、一九九六)


【参照項目】➡皇円桜ヶ池


【執筆者:山本博子】