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弥陀講

提供: 新纂浄土宗大辞典

みだこう/弥陀講

阿弥陀仏を安置し極楽往生を願って定期的に営まれた法要、またはその組織。迎講むかえこう迎接会こうしょうえとも呼ばれる。この講は、『古事談』三によると、「迎講恵心僧都始め給ふ事也」とあり、源信によって始められたという。その特徴は、法要の中で仏・菩薩の装束をまとった者たちが、雅楽の調べの中を行道することであり、参詣者が自身の臨終来迎の様子を心にとどめることにより、念仏の実践と極楽往生の確信を深めるという、信仰上の意味を有していた。奈良県葛城市當麻寺では、毎年五月一四日中将姫縁日には、練供養会式が修され、その風を現代に伝えている。


【資料】『古事談』三(『国史大系』一八)


【参考】石田瑞麿『浄土教の展開』(春秋社、一九六七)


【参照項目】➡練供養二十五菩薩来迎会迎講


【執筆者:東海林良昌】