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提供: 新纂浄土宗大辞典

あま/尼

出家して具足戒を受けた女性のこと。男性が出家具足戒を受けるとⓈbhikṣuⓅbhikkhuとなり、この語が漢訳では一般的に比丘びくと音写される。これに対して、女性の場合はⓈbhikṣuṇīⓅbhikkhunīとなり、比丘尼びくにと音写される。この漢訳語の女性を意味する語尾が単独で使われるようになり、やがて尼だけで比丘尼を意味すると理解されるようになった。尼を「あま」と訓読みしたのは、女性や母などを意味するⓈambāⓅammāなどのインド語に由来するものと考えられる。最初期のインド仏教において、比丘尼修行によって覚りに到達できる者として、比丘と並んで教団を構成する正式なメンバーに数えられていた。しかし、仏教が中国、日本と伝えられていく中で、仏教教団のあり方そのものが大きく変容していく。したがって比丘尼の立場や形態、教団との関わりを考える際には、地域や時代によって、その性格が大きく異なっている点に注意しなければならない。


【参照項目】➡比丘・比丘尼尼寺尼入道


【執筆者:山極伸之】