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天照寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

てんしょうじ/天照寺

岐阜県養老郡養老町根古地。八幡山宝池院。岐阜教区№七九。高須藩主小笠原貞信が尊信していた高須円心寺住職聖誉恕迪じょてきの隠居寺として、旧高須城主の根古地城跡を寄進し、明暦四年(一六五八)天照寺を創建した。開山である恕迪は、根古地ねこじ八幡宮の移転に尽力するなど地域発展に大いに貢献した。境内には観音堂があり、正観音像が奉られている。当寺は宝暦治水の偉業をなした薩摩義士との関わりが深く、過去帳には幕命によって木曽三川の治水工事を行い犠牲となった義士二七士の法名が記されており、位牌も安置されている。また県史跡でもある八木七郎左衛門・山口清作・松下新七の三士の墓と、他二四士が埋葬されている浄土三昧(元、天照寺専有の墓地)がある。


【参考】種田丹治『根古地の歴史』(根っ子会、二〇〇八)、浄土宗岐阜教区編『教区誌—浄土宗岐阜教区』(浄土宗岐阜教区、一九八〇)


【執筆者:伊藤瑛梨】