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四不退

提供: 新纂浄土宗大辞典

しふたい/四不退

四種の不退のこと。不退とは不退転のことで、ある段階に達すれば、それ以前の状態に戻ることがなくなることをいい、それについて四種の別を設けたもの。念不退・行不退・位不退の三不退に処不退を加えた四つ。迦才浄土論』(浄全六・六三四上正蔵四七・八六下)によれば①念不退とは、八地以上にいる菩薩がそこから退かないこと、②行不退とは、初地以上にいる菩薩がそこから退かないこと、③位不退とは、十解以上の者がそこから退かないこと、④処不退とは、西方浄土に生まれた者がそこから退かないこと、となる。この四不退のほかにも、『群疑論』四(浄全六・六〇上正蔵四七・五五中~下)などでは信・位・証・行の四退の否定としての四不退、『阿弥陀経要解』(正蔵三七・三六五上)では念・行・位・畢竟の四不退、『阿弥陀経疏鈔』三(続蔵二二・六五五下)では、願・行・智・位の四不退が説かれる。


【資料】『西方要決』


【参照項目】➡三不退不退転


【執筆者:石田一裕】