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即得往生

提供: 新纂浄土宗大辞典

そくとくおうじょう/即得往生

命終の後、すみやかに往生を得ること。『無量寿経』下、第十八願の願成就文に「その名号を聞きて、信心歓喜して、乃至一念至心回向して、かの国に生ぜんと願ずれば、すなわち往生を得て、不退転に住す」(聖典一・二四九/浄全一・一九)とある。この中の「即」の義について時間的関係を問題とする同時即・異時即の義があるが、浄土宗においては異時即の意味にとる。良忠は『観経疏略鈔』に「即は不離の義なり。三心の因に往生の果離れざるの義なり。即時の即には非ず。故に下の当得往生と同意なり。故に上には当得と説き、下には即得と明かせり」(浄全二・五七七下)と述べている。つまり三心という因と往生という果が離れないという意味での「即」であり、宗義においては、あくまでも往生は命終の後にあるとする。西山派や真宗などにおいては同時即の意にとり、生前に来世往生が確定したものと理解する。


【資料】良忠『伝通記』『観経疏略鈔』(共に浄全二)


【参照項目】➡即便往生・当得往生


【執筆者:沼倉雄人】