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十六相讃

提供: 新纂浄土宗大辞典

じゅうろくそうさん/十六相讃

一巻。首題は「西方極楽世界十六想観画讃」。「観経十六想観画讃」ともいう。慶滋保胤よししげのやすたね撰。『往生要集』遣宋時の永延二年(九八八)には既に源信の手元にあったことが知られる。内容は、『観経』に説かれる十六観の様子をあらわした図画に対して、その一々に七言四句の讃文を配し、西方極楽浄土世界を讃じたもので、源信の『往生要集』の末尾からは、同じく慶滋保胤の『日本往生極楽記』などとともに遣宋されたことがわかる。本書は、比叡山において善導往生礼讃』、法照五会法事讃』が流布し影響を及ぼしていたことを裏付ける資料としても注目される。


【所収】佐藤哲英『叡山浄土教の研究』資料編(百華苑、一九七九)


【執筆者:和田典善】