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伊藤円定

提供: 新纂浄土宗大辞典

いとうえんじょう/伊藤円定

明治九年(一八七六)七月一日—昭和五年(一九三〇)三月六日。大蓮社宣誉法阿寂雷。第二代ハワイ開教使長。現在の愛知県丹羽郡大口町に生まれる。明治二二年(一八八九)、同県知多郡洞仙寺伊藤俊祥の下で得度。同三四年五月、宗命によりハワイに渡る。同年八月、オーラアで教会所(現・カーチスタウン浄土院)を開設し、同四〇年には初代開教使長清水信順とともに、ホノルルの浄土宗ハワイ開教院設立に尽力した。同地では、ハワイ女学校(現在は閉校)を建設し、ハワイ島の子女教育の振興にも努めた。大正七年(一九一八)帰国、総本山布教師として布教専念し、同一一年には深川霊巌寺住職に選任された。『地獄極楽の実在』(一九二二)、『応化自在仏教全講』(一九二七)、『死後生極楽の研究』(一九三〇)などの著作を残す。


【参考】新保義道『ハワイ開教九十年史』(山喜房仏書林、一九八七)、浄土宗海外開教のあゆみ編集委員会編『浄土宗海外開教のあゆみ』(浄土宗開教振興協会、一九九〇)、大橋俊雄『浄土宗人名事典』(斎々坊、二〇〇一)


【執筆者:髙瀬顕功】