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仁和寺

提供: 新纂浄土宗大辞典

にんなじ/仁和寺

京都市右京区御室大内。大内山と号し、御室御所おむろごしょとも呼ばれる。真言宗御室総本山。仁和二年(八八六)の創建。第五八代光孝天皇が大内山の麓に一院を草創したのを始めとする。第五九代宇多天皇は、同三年より西山御願寺の造営を進め、同四年新金堂において先帝の周忌御斎会を奉修し、年号によって「仁和寺室」とした。多くの寺院とその子院等が建立されたが、天永四年(一一一三)他、度々大火に見舞われた。しかし創建当時の本尊である阿弥陀如来及び両脇侍像、薬師如来座像、『三十帖冊子』(いずれも国宝)等多くの国宝・国重要文化財を現在に伝えている。寛永年間(一六二四—一六四四)になり、徳川家光の寄進や皇居の紫宸殿ししんでん等の境内への移築によって整備され、以後慶応三年(一八六七)三〇世門跡純仁法親王還俗するまで宮門跡であった。平成六年(一九九四)「古都京都の文化財」の一部としてユネスコの世界文化遺産に登録された。


【資料】尊海撰『仁和寺御伝』、顕証撰『本要記』、奈良国立文化財研究所編『仁和寺史料』寺誌編二(吉川弘文館、一九六七)


【参考】奈良国立文化財研究所編『仁和寺史料』寺誌編一(吉川弘文館、一九六四)、出雲路敬和『仁和寺史談』(仁和寺、一九七三)


【参照項目】➡宮門跡御室


【執筆者:米澤実江子】