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五音

提供: 新纂浄土宗大辞典

ごいん/五音

中国・日本の音楽用語で音階を構成する五つの音。声明の基本的音階であるきゅうしょうかくの五つの音をいう。中国古代の音律論による音階構成音の五音をいい、雅楽では五声ごせいともいう。三分損益法さんぶんそんえきほうにより、基音きおんを宮とし(最重要音・音階構成上の起点となる音)、第二音を徴(宮の完全五度上)、第三音を商(徴の完全四度下)、第四音を羽(商の完全五度上)、第五音を角(羽の完全四度下)とし、音高順に並べると、低い方から宮・商・角・徴・羽になる。宮と徴の二音は完全五度で不変であるが、日本の音階の種類によって他の三音は少し変動する。五音に変徴・変宮、またはえい商・嬰羽の派生音を加えたものを七声しちせいといい、これを五音七声という。五音博士は、五音の音高を線の角度によって示すものをいい、きゅうしょうかくの略字で博士に付している。目安博士めやすばかせは、旋律の動きを相対的な線によって示すものをいう。五音の名は紀元前七世紀頃から『管子かんし』『呂氏りょし春秋』などの諸書にも見える。


【参照項目】➡博士七声三分損益法


【執筆者:渡辺俊雄】