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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0050A01: 月二月。或は一年乃至一生に覺る者もあるべしと云
Z15_0050A02: り。正しく我心中に佛おはします樣を知んと思はん
Z15_0050A03: 人は。()(カハ)の僧都の母の爲に造り給へる眞如理觀と
Z15_0050A04: 云る(フミ)を可見給。目出度事にて侍るなり。但し如
Z15_0050A05: の一切の衆生も三世の諸佛も唯一なりと承はりぬ。
Z15_0050A06: されども佛あり衆生あり又樣樣の形あり。此をば如
Z15_0050A07: 何が一味同體なりと知ん耶。彼人云く。佛も覺を開
Z15_0050A08: き給はぬ前には。何となき衆生にてこそおはしつら
Z15_0050A09: め。彼是の隔ては妄念の謂也と申すなり。或は云く
Z15_0050A10: 迷の前の是非は。是非共に非なり。夢の中の有無は
Z15_0050A11: 有無共に無なりと云り。されば摩耶經に曰。
Z15_0050A12: 我等長夜來。縛著無明獄。惽迷無智慧。不知求道處
Z15_0050A13: 文の意は我等長夜より以來無明の獄にこめられて。
Z15_0050A14: 迷て智慧なければ。佛道を求る所を不知と說給へ
Z15_0050A15: り。我も人も生死長夜の間に。妄想顚倒の夢を見る
Z15_0050A16: をば知しめさずや。是を驚かす理なり。眞如實相と
Z15_0050A17: 申すは。實相の外に更に別の法なし。妄想分別する
Z15_0050B01: が故に。諸の苦惱を受。菩提の中にして不淸淨を見。
Z15_0050B02: 解脫の中にして纒縛を發すとも申すなり。心と佛と
Z15_0050B03: 衆生と是三差別なし。其法身同體なりと。常に此思
Z15_0050B04: ひに住して。佛道を修行するを實の佛道修行とは申
Z15_0050B05: なり。又問て云く。如是思給ふべき人は皆佛ならば。
Z15_0050B06: 只凡夫の振舞を嫌ふ事は有間敷や。彼人の云く。其も
Z15_0050B07: 又あまりなり。譬へば船は風にはしると計聞て。月
Z15_0050B08: の出日の入空の色も雲の立樣も不知して走りなん
Z15_0050B09: とし。若は鳥の子の飛と云事計を見て。つばさもと
Z15_0050B10: とのほらず。木づたひ。枝うつりも。しらずして事新
Z15_0050B11: しく。高くとばんとせしが如し。智度論取されば業の波
Z15_0050B12: を靜めて生死の苦海を事なく渡り。智慧のつばさを
Z15_0050B13: 生じて三界のふるすを速に出で。後にはいかにも目
Z15_0050B14: 出度都に遊び給ふべきなり。今勸申す心は。凡夫の
Z15_0050B15: 心をひるがへして。功德をまさんが爲に。本有の佛
Z15_0050B16: を顯す所なり。此理を以て實の菩提心とは申なり。
Z15_0050B17: 又菩提心と申は大慈大悲也。大方根なくして(ハユ)る。

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