浄土宗全書を検索する
AND検索:複数の検索語をスペースで区切って入力すると、前後2行中にそれらを全て含む箇所を検索します。
巻_頁段行 | 本文 |
---|---|
Z15_0025A01: | も面面の芳恩に在べくばこそ。後に行ても又も進ま |
Z15_0025A02: | む本意只此度に候べし。高き卑き親き疎き皆同心に |
Z15_0025A03: | 互に進みて一佛淨土に生れむ事を願ふべし。 |
Z15_0025A04: | 第十二功德を造て普く廻向すべき方と者。或云。若 |
Z15_0025A05: | 人功德を造て己れが爲に廻向をすれば其功德少少な |
Z15_0025A06: | り設ひ少善なり共法界衆生に廻向すれば卽無邊の功 |
Z15_0025A07: | 德と成。少雲の大虛に遍するか如し。設ひ一善なりと |
Z15_0025A08: | 云共。菩提𣵀槃に廻向すれば盡せぬ功德となる。譬へ |
Z15_0025A09: | ば一雨を大海に下すが如しと云へり。故に廣く廻向 |
Z15_0025A10: | する也。又作し善根の心に任せて迴向せらるる事は。 |
Z15_0025A11: | 設は海を渡るに功德はすなこのことし。廻向の心は |
Z15_0025A12: | かん取りの如し。何にも吾やらんと思方へやらるる |
Z15_0025A13: | が故。大論の心を取故に名聞利養にさいきられず。よしなき |
Z15_0025A14: | 思に住て廻向すまじき也。其は設は直ひをば愚にし |
Z15_0025A15: | て實の寶をば不レ待して無レ由物と名を得て後にくま |
Z15_0025A16: | むが如し。其故は彼の輪王の位も七寶久しからず。天 |
Z15_0025A17: | 上樂も五衰早來る。是何か浦山しからん。何況や人を |
Z15_0025B01: | や輪王の七寳と者。一には輪寶。二には馬寶。四に |
Z15_0025B02: | は珍寶。五には女寶。六には主藏臣寶。七には主兵 |
Z15_0025B03: | 寶。是皆生滅の寶也。爾は早其思を留て實の心に住 |
Z15_0025B04: | て吾造る所の善根を以て三寳の境界一切衆生に廻向 |
Z15_0025B05: | し奉て。彼衆生と共に菩提心を起して。正しく極樂 |
Z15_0025B06: | 淨土に生んと廻向すべき也。是を最上の廻向とす。 |
Z15_0025B07: | されば無始より以來。造りけむ功德今日より後。未 |
Z15_0025B08: | 來際に至まで造らん善根を大小をえらばす。如此廻 |
Z15_0025B09: | 向すべき也。其功德にをきては思べし。一佛一菩薩 |
Z15_0025B10: | 一衆生の悅び給はむすら。それ空からず。何況や十 |
Z15_0025B11: | 方三世の諸佛諸菩薩と申す法界衆生と云ひ。普く廻 |
Z15_0025B12: | 向する所をかへりみて。隨て又悉く悅び給ふらん功 |
Z15_0025B13: | 德をや。爾れは彼の廻向の至る所をば已に衆生の心 |
Z15_0025B14: | に任せて。彼の功德の莫大なる事は。三寶の御知見に |
Z15_0025B15: | 任て。彼御心にゆづり奉る。設ひ一分の善根也と云 |
Z15_0025B16: | とも。何か二世の大願をば成就せしめ給わざらん。 |
Z15_0025B17: | 願以此功德普及於一切我等與衆生皆共成佛道 |