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Z1510 孝養集 覚鑁 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z15_0025A01: も面面の芳恩に在べくばこそ。後に行ても又も進ま
Z15_0025A02: む本意只此度に候べし。高き卑き親き疎き皆同心に
Z15_0025A03: 互に進みて一佛淨土に生れむ事を願ふべし。
Z15_0025A04: 第十二功德を造て普く廻向すべき方と者。或云。若
Z15_0025A05: 人功德を造て己れが爲に廻向をすれば其功德少少な
Z15_0025A06: り設ひ少善なり共法界衆生に廻向すれば卽無邊の功
Z15_0025A07: 德と成。少雲の大虛に遍するか如し。設ひ一善なりと
Z15_0025A08: 云共。菩提𣵀槃に廻向すれば盡せぬ功德となる。譬へ
Z15_0025A09: ば一雨を大海に下すが如しと云へり。故に廣く廻向
Z15_0025A10: する也。又作し善根の心に任せて迴向せらるる事は。
Z15_0025A11: 設は海を渡るに功德はすなこのことし。廻向の心は
Z15_0025A12: かん取りの如し。何にも吾やらんと思方へやらるる
Z15_0025A13: が故。大論の心を取故に名聞利養にさいきられず。よしなき
Z15_0025A14: 思に住て廻向すまじき也。其は設は直ひをば愚にし
Z15_0025A15: て實の寶をば不待して無由物と名を得て後にくま
Z15_0025A16: むが如し。其故は彼の輪王の位も七寶久しからず。天
Z15_0025A17: 上樂も五衰早來る。是何か浦山しからん。何況や人を
Z15_0025B01: や輪王の七寳と者。一には輪寶。二には馬寶。四に
Z15_0025B02: は珍寶。五には女寶。六には主藏臣寶。七には主兵
Z15_0025B03: 寶。是皆生滅の寶也。爾は早其思を留て實の心に住
Z15_0025B04: て吾造る所の善根を以て三寳の境界一切衆生に廻向
Z15_0025B05: し奉て。彼衆生と共に菩提心を起して。正しく極樂
Z15_0025B06: 淨土に生んと廻向すべき也。是を最上の廻向とす。
Z15_0025B07: されば無始より以來。造りけむ功德今日より後。未
Z15_0025B08: 來際に至まで造らん善根を大小をえらばす。如此廻
Z15_0025B09: 向すべき也。其功德にをきては思べし。一佛一菩薩
Z15_0025B10: 一衆生の悅び給はむすら。それ空からず。何況や十
Z15_0025B11: 方三世の諸佛諸菩薩と申す法界衆生と云ひ。普く廻
Z15_0025B12: 向する所をかへりみて。隨て又悉く悅び給ふらん功
Z15_0025B13: 德をや。爾れは彼の廻向の至る所をば已に衆生の心
Z15_0025B14: に任せて。彼の功德の莫大なる事は。三寶の御知見に
Z15_0025B15: 任て。彼御心にゆづり奉る。設ひ一分の善根也と云
Z15_0025B16: とも。何か二世の大願をば成就せしめ給わざらん。
Z15_0025B17: 願以此功德普及於一切我等與衆生皆共成佛道

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