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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0269A01: や。慈恩大師云。口誦無生。作者非一。據其證者。百
Z14_0269A02: 一人と。千歲已前。なを百旡一人なり。況や今日を
Z14_0269A03: や。かの行者修道。要須時。若時敎符契。則佛道易
Z14_0269A04: 證。若時敎乖錯。則菩提叵證の。訓などをば。何と心
Z14_0269A05: 得玉へるや。さて又。生の見を離れて。無生忍を得
Z14_0269A06: なば。何れの修行とても。目出度かるべし。何ぞたゞ
Z14_0269A07: 觀佛のみならん。
Z14_0269A08: 去れども不生不滅○利益あることなり。 此れまた
Z14_0269A09: 紛らはし。先づ無生を深く明らむとは。其位ゐ知れね
Z14_0269A10: ども。なり難しとあれば其通りなり。次に無生の氣味
Z14_0269A11: を合點すとは。これ理卽なりや。乃至分證なりや。更
Z14_0269A12: に分明ならず。凡そ無生を修するは。正しくは。觀行
Z14_0269A13: 已後にて。已前は。少々學問するなりけり。學問する
Z14_0269A14: 分は。何宗とても仕るべし。安ぞ台家ばかりの功なら
Z14_0269A15: ん。但し左樣なる學問邊を。修行のことゝ。思はれし
Z14_0269A16: や。善住天子經の如くは。無生の學問も。遠因緣とは
Z14_0269A17: なれども。順次に無生忍を證する。功德はなし。相應
Z14_0269B01: の利益とは。このことにや。不審なり。
Z14_0269B02: 昔しの人の○よく合點すべし。 いかなる愚かなる
Z14_0269B03: 人とあれば。何とやらん。愚夫愚婦の樣にも聞へ。實
Z14_0269B04: には生れもせぬとあるは。また入品の樣にも見ゆ。故
Z14_0269B05: に合點すべしとは云るれど。更に合點せられず。
Z14_0269B06: 極樂往生は○思ふべし。この氣味。淨土或問にもあ
Z14_0269B07: り。但し彼は。悟後の談なり。故に左樣に思ふは。五品
Z14_0269B08: 已上は格別。今時の平凡夫は。たゞ龍樹菩薩の。御敎
Z14_0269B09: への通りに。念死と云ことが。大事なり。大論云。念死
Z14_0269B10: 者。有二種死。一者。自死。二者。他因緣死。是二種死。
Z14_0269B11: 行者。常念。是身。若他不殺。必當自死。如是有爲法
Z14_0269B12: 中。不彈指頃。生信不死心と。されば古德は。罪惡
Z14_0269B13: の凡夫の。穢土を厭ふは。念死に如はなし。淨土を欣
Z14_0269B14: ぶは。念佛に如はなしとて。念死念佛と云。殊勝の義
Z14_0269B15: を立られたり。是は淨土宗のみならず。法澤私しなけ
Z14_0269B16: れば。何宗にても。未だ觀力成ぜぬ內は。實しく。厭穢
Z14_0269B17: 欣淨の。心を起し。まめやかに。念死念佛の行を。修し

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