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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0268A01: 小乘の生の如くには非ず。譬へば淸珠を。濁水に置け
Z14_0268A02: ば。其水も。自ら淸きが如く。無生の生なれば。その生
Z14_0268A03: 見も。自ら無生となるは。これ煩惱の中より。菩提を
Z14_0268A04: 證する。ことなればなり。故に珍海云。又淨土境。超
Z14_0268A05: 過小法。若生願樂。便成大心と。されば極樂に生ぜ
Z14_0268A06: んと思ふが。卽ち大心なり。無生に生ぜんと願ふが。
Z14_0268A07: 卽ち無生の見なる。體穢相淨にて。所謂る實相を期せ
Z14_0268A08: ずして。實相に契ふ者なり。談義主。曾て淨家に入て。
Z14_0268A09: 事に問て。其實を驗められず。妄りに寶珠置濁の
Z14_0268A10: 生と。三有虛妄の生とを。混同して。種々の衰損を。引
Z14_0268A11: れしなりけり。甚だ哀愍すべし。問。上來の說を承は
Z14_0268A12: るに。此一段は。邪見至極の筆跡ならずや。答。誠に
Z14_0268A13: 爾り。凡そ今談の始終に。淨土を謗ぜらるゝは。率ね
Z14_0268A14: 此惡見より流出せり。忝も釋尊。誠實の金言に。淨土
Z14_0268A15: の行人を斷じて。非是小乘と。說き玉ひし上は。とか
Z14_0268A16: く釋子として。かりにも小乘の見解とは。申すべき謂
Z14_0268A17: れなし。且つ大經には。憍慢なる者は。淨土の法門を。
Z14_0268B01: 信ずまじきぞと說き。淸淨覺經には三惡道よりこし。
Z14_0268B02: こりづまに。信向なしとも說き玉ふ。況や梵網に。諸
Z14_0268B03: の菩薩を戒めて。惡人の。一言なりとも。三寶を謗る
Z14_0268B04: を見なば。三百のひしにて。心を剌思ひを。なせとあ
Z14_0268B05: れば。なを〱傷しく存候。
Z14_0268B06: 卽心念佛の人は○修行なり。此れより。當段の終り
Z14_0268B07: に至るまでは。別して上下二根を。混亂せられし故。
Z14_0268B08: 頗る老耄にやと怪まる。まづ此界にて。生の見を離る
Z14_0268B09: ゝことは。これ不起法忍にして。眞の寂滅なり。故に
Z14_0268B10: 維摩經云。法本不然。今則無滅。是寂滅義と。天台釋
Z14_0268B11: 云。凡夫。妄見流動。二乘。退治滅之。菩薩。體達法本
Z14_0268B12: 然。卽是眞諦。寂滅之理。本來無煩惱生死等と。
Z14_0268B13: 大集經云。法界衆生界。無生無滅。若能如是。通達知
Z14_0268B14: 者。名無生智。無生智者。卽無生忍と。妙宗鈔云。圓住
Z14_0268B15: 別地。俱破無明。是無生忍位と。是なり。然るを。一文
Z14_0268B16: 不知の。襖道心などを。勸むる雙紙に。初地の菩薩の
Z14_0268B17: 作略を。願はば。なりもする樣に。書るゝは。何ごとぞ

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