浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0268A01: | 小乘の生の如くには非ず。譬へば淸珠を。濁水に置け |
Z14_0268A02: | ば。其水も。自ら淸きが如く。無生の生なれば。その生 |
Z14_0268A03: | 見も。自ら無生となるは。これ煩惱の中より。菩提を |
Z14_0268A04: | 證する。ことなればなり。故に珍海云。又淨土境。超二 |
Z14_0268A05: | 過小法一。若生二願樂一。便成二大心一と。されば極樂に生ぜ |
Z14_0268A06: | んと思ふが。卽ち大心なり。無生に生ぜんと願ふが。 |
Z14_0268A07: | 卽ち無生の見なる。體穢相淨にて。所謂る實相を期せ |
Z14_0268A08: | ずして。實相に契ふ者なり。談義主。曾て淨家に入て。 |
Z14_0268A09: | 每レ事に問て。其實を驗められず。妄りに寶珠置濁の |
Z14_0268A10: | 生と。三有虛妄の生とを。混同して。種々の衰損を。引 |
Z14_0268A11: | れしなりけり。甚だ哀愍すべし。問。上來の說を承は |
Z14_0268A12: | るに。此一段は。邪見至極の筆跡ならずや。答。誠に |
Z14_0268A13: | 爾り。凡そ今談の始終に。淨土を謗ぜらるゝは。率ね |
Z14_0268A14: | 此惡見より流出せり。忝も釋尊。誠實の金言に。淨土 |
Z14_0268A15: | の行人を斷じて。非是小乘と。說き玉ひし上は。とか |
Z14_0268A16: | く釋子として。かりにも小乘の見解とは。申すべき謂 |
Z14_0268A17: | れなし。且つ大經には。憍慢なる者は。淨土の法門を。 |
Z14_0268B01: | 信ずまじきぞと說き。淸淨覺經には三惡道よりこし。 |
Z14_0268B02: | こりづまに。信向なしとも說き玉ふ。況や梵網に。諸 |
Z14_0268B03: | の菩薩を戒めて。惡人の。一言なりとも。三寶を謗る |
Z14_0268B04: | を見なば。三百のひしにて。心を剌思ひを。なせとあ |
Z14_0268B05: | れば。なを〱傷しく存候。 |
Z14_0268B06: | 卽心念佛の人は○修行なり。此れより。當段の終り |
Z14_0268B07: | に至るまでは。別して上下二根を。混亂せられし故。 |
Z14_0268B08: | 頗る老耄にやと怪まる。まづ此界にて。生の見を離る |
Z14_0268B09: | ゝことは。これ不起法忍にして。眞の寂滅なり。故に |
Z14_0268B10: | 維摩經云。法本不レ然。今則無レ滅。是寂滅義と。天台釋 |
Z14_0268B11: | 云。凡夫。妄見二流動一。二乘。退治滅レ之。菩薩。體二達法本 |
Z14_0268B12: | 不レ然。卽是眞諦。寂滅之理一。本來無レ有二煩惱生死一等と。 |
Z14_0268B13: | 大集經云。法界衆生界。無レ生無レ滅。若能如レ是。通達知 |
Z14_0268B14: | 者。名二無生智一。無生智者。卽無生忍と。妙宗鈔云。圓住 |
Z14_0268B15: | 別地。俱破二無明一。是無生忍位と。是なり。然るを。一文 |
Z14_0268B16: | 不知の。襖道心などを。勸むる雙紙に。初地の菩薩の |
Z14_0268B17: | 作略を。願はば。なりもする樣に。書るゝは。何ごとぞ |