ウィンドウを閉じる

Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0266A01: の問答の意を。摘みて云たるなり。 さて。彼の問答
Z14_0266A02: の邪見をば。昔し旭蓮の澄圓菩薩。松風論を造て。委
Z14_0266A03: く文を引き理を立て。破斥し玉へり。よく〱彼の論
Z14_0266A04: の。始終を熟讀して。其邪正を知るべきなり。其れの
Z14_0266A05: みならず。彼の邪をば。同宗に。大徹大悟の禪師あり
Z14_0266A06: て。辨ぜられしかば。別に淨家より。これを闢くに及
Z14_0266A07: ばざる歟。歸元直指に。辨秀律師を引て云。不
Z14_0266A08: 之人。或云念佛是權門小敎。或云是有相大乘。此
Z14_0266A09: 乃蓬心不直之談。非是徹透高明之說。何耶。夫出言卽
Z14_0266A10: 性。發意皆如。而一色一香。無中道。況我正念乎と。
Z14_0266A11: 是なり。問。夢中の惡見は。旣に命を聞く。願くば初心
Z14_0266A12: の爲に。更に談義の非を示し玉へ。答。談義に小乘と
Z14_0266A13: 云れずとは。これ先づ直に大乘とは。許されぬ語なら
Z14_0266A14: ずや。生々不可說等とは。此れも同じくは。生々。不生
Z14_0266A15: 々。生不生。不生不生と列ねたし。 さて淨土を期す
Z14_0266A16: は。大乘。生ずと思ふは。小乘とは。期と思とにて。大
Z14_0266A17: 小の分るゝわけ。承りたし。是一淨土の生は。界外衍門
Z14_0266B01: の生々なり。四句の初は。界內三藏の生々なり。飛と
Z14_0266B02: いへば。同じ樣なれども。蚊蟻と金翅とは。大に殊な
Z14_0266B03: るが如く。生々の語言。同じけれども。其義天るかに。
Z14_0266B04: 別なり。故に藕益大師は。別敎。約界外論。雖
Z14_0266B05: 。約界內觀。亦不生滅との玉ふに。何とて𣵀槃を以
Z14_0266B06: て。附會せらるゝや。是二往生の見が。小乘ならば。中品
Z14_0266B07: の。習に稱て。小を說くが如くに。極樂にて。生々可說
Z14_0266B08: の法門を聞くべし。境に著する者は。所緣の中に。墮
Z14_0266B09: すればなり。而るを反て。無生を證得して。因果差却
Z14_0266B10: するは。何ぞや。是三廻心向大は。旣に小見に非ず。もし
Z14_0266B11: 未廻心ならば。何如ぞ界外を願て。無生忍を期する
Z14_0266B12: や。是四其解もし小ならば。其行も亦小ならん。然らば。
Z14_0266B13: 淨土の行人は。何れの時廻心して。無生の土へ生ずる
Z14_0266B14: や。是五本邦の中。夢中を除て外に。大乘善根界に生ぜ
Z14_0266B15: んと。要期思願する者を指て。貪著小乘三藏學者と云
Z14_0266B16: し考ありや。是六未だ無生忍を。證せざる已前は。全く
Z14_0266B17: 生の見を。離るゝことなし。若し爾らば。別圓二敎の。

ウィンドウを閉じる