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Z1440 即心念仏摘欺説 敬首 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0250A01: 邪味あり。それ故。觀念觀佛の。功德利益を。云るゝ樣
Z14_0250A02: なれども。地體が稱名念佛を。貶抑せむ爲めなれば。
Z14_0250A03: すべて自是非他の趣になり了ぬ。龍樹菩薩云。我法眞
Z14_0250A04: 實。餘法妄語。我法第一。餘法不實。是爲鬪諍本と。な
Z14_0250A05: ればたゞ安らかに。觀念のたふときことのみを書れ
Z14_0250A06: ば。深き利益にもなるべきに。惜きことかな。さて念
Z14_0250A07: 佛申の申の字。また觀の字にかゆべし。大富盲兒のこ
Z14_0250A08: と。此は總じて衆生の。如來藏を具せるを。喩へたる
Z14_0250A09: にてこそあれ。別に天台宗の。卽心觀佛の人ばかりの
Z14_0250A10: ことにはなき者を。何とて左樣に誇らるゝや。因て
Z14_0250A11: 智覺禪師は。衆生の行道禮拜せざる者をも。大富盲兒
Z14_0250A12: に。喩へ玉へり。
Z14_0250A13: たとひ業障重くて○朗かに開くべし。 四明の御意
Z14_0250A14: は。惡人の往生は。現世の功に非ず。これ夙因によれ
Z14_0250A15: り。若し現因のみなれば。臨終の十念は。散善なれど
Z14_0250A16: も。宿種が手傳ひし故。今熟して定善となる。其證據
Z14_0250A17: には。華開の時。實相を聞けばなりと。是なり。藕益も
Z14_0250B01: また爾り。是れ則ち曾修の夙因を種とし。臨終の十念
Z14_0250B02: を熟とし。華開聞法を脫とす。然るを今談に。臨終を
Z14_0250B03: 種とし。華開を熟の樣に云るゝは。これ野人の語にし
Z14_0250B04: て。四明の御意と相違せり。
Z14_0250B05: 事の念佛ばかりにて○卽心念佛なり。此段は。夢中
Z14_0250B06: の邪味あり。それ故。不可思議なる。稱名念佛に。宿習
Z14_0250B07: なく。悟りかね。ぐづゝく。けなりかろの。四惡を付ら
Z14_0250B08: る。勿體なき。謗法なるべし。今稱名の。廣大精微なる
Z14_0250B09: 旨を述て。其惡見を諫め申さん。大經云。若人無善本
Z14_0250B10: 此經。宿世見諸佛。樂是敎と。寳積經
Z14_0250B11: 云。已曾欽奉諸如來。故有因緣此義と。淸淨平等
Z14_0250B12: 覺經云。若聞我說淨土法門。當知此人。過去宿命。已
Z14_0250B13: 佛道と。稱讃淨土經云。若有諸善男子。或善女人
Z14_0250B14: 是。一切世間。極難信法。受持演說。當知是
Z14_0250B15: 人。曾種善根と。往生禮讃云。若人無善本。不
Z14_0250B16: 佛名と。淨土論云。聞淨土。生信樂者。普是過去。
Z14_0250B17: 養佛來。由往昔因。現在乃至十念。悉得往生と。

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