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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0181A01: と明し。妙宗には。初心卽用佛智境との玉ふが故。
Z14_0181A02: 行者は初心なれども。用る所の佛智。豈情暗と共なら
Z14_0181A03: んや。初心より絕待の妙觀を修すと云。此方を破さる
Z14_0181A04: ゝは。四明祖師を破さるゝになること見つべし。而る
Z14_0181A05: に此二筋ある中。今論ずる所の心妙觀の卽心念佛は。
Z14_0181A06: 用る所の觀智の方に約して云ことなりや。行者の迷
Z14_0181A07: にある。迷情に就て云ことなりや。北峰は約解悟修
Z14_0181A08: といへり。全く迷情に就て云ことには非ず。故に
Z14_0181A09: 此妙觀を。何思不絕。何議不忘といひ。以此覺心。觀
Z14_0181A10: 於依正。能所卽絕。待對斯忘との玉へり。圓人はかく
Z14_0181A11: の如く。初心始行より。能所を絕し。思議を忘るゝ佛
Z14_0181A12: 智を用て。境を照せども。無明未斷のことなる故。何
Z14_0181A13: としても。思議の念も起り。能所の情もやみ難し。故
Z14_0181A14: に此を情の一心三觀ともいひ。皆名爲情ともの玉へ
Z14_0181A15: り。かく云ねば。初心の觀智を。上品の寂光の。究竟の
Z14_0181A16: 佛智のといひながら。皆名爲情とある等の文が。す
Z14_0181A17: まぬことなり。此處にて。情と云は。觀智の體に非ず。
Z14_0181B01: 行者の法體。迷にある方より名ると云ことを。合點せ
Z14_0181B02: られよ。か樣の入わけ。七十年來。未だはつきと。明ら
Z14_0181B03: められぬは。思ひの外なること。其方の云るゝ。心觀
Z14_0181B04: 道の上になき故なるべし。總じて圓解妙觀を論ずる
Z14_0181B05: は。專ら解悟に約し。全く迷情の筋にはよらぬなり。
Z14_0181B06: 因て妙宗には。以理簡情との玉ひ。柏庭は。凡論
Z14_0181B07: 。但可情而從一レ理。豈可理而順一レ情といへり。爾
Z14_0181B08: らば談義本に四明の卽心念佛と。標せらるゝからは。
Z14_0181B09: 解悟に約し。圓理に順じて。名字の相を離れ。心緣の
Z14_0181B10: 相を離れ。能所を絕し。思議を忘るゝ。絕待の妙觀を。
Z14_0181B11: 委く談ぜらるべき筈なるに。反て忘れぬ樣に覺えた
Z14_0181B12: り。しづのをだまき。くりかへし。思ふたりせよと云
Z14_0181B13: て。妙宗に甚だ嫌ひたる。心緣の相もあり。能所も絕
Z14_0181B14: せず。思議も忘れぬ迷情を。段段勸めらるゝは。大に
Z14_0181B15: 四明の祖訓に背くが故に。重重辨斥せしことなり。隨
Z14_0181B16: 分解悟に約し。圓理に順じて勸るさへ。迷にある行者
Z14_0181B17: は。何としても。思議分別の情となるものなるに。首

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