浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0154A01: | と。決定なり。因て今引れし觀經の。華座觀の下の妙 |
Z14_0154A02: | 宗に。彼佛因中。作二菩薩比丘一。名爲二法藏一於二世自在王 |
Z14_0154A03: | 佛所一。發二四十八願一。取二此淨土一。攝二諸衆生一。今願力成。 |
Z14_0154A04: | 故令二所依華座若一レ此と云て。法藏比丘。世自在王佛の |
Z14_0154A05: | 所にして。四十八願を發し玉ふを引き。此本願力に |
Z14_0154A06: | て。所依の蓮華座が。かくの如く。微妙なりと釋し玉 |
Z14_0154A07: | ふは。正しく無量壽經の說を。さし玉ふこと明白な |
Z14_0154A08: | り。但し觀經の中にも。世自在王佛の所にして。四十 |
Z14_0154A09: | 八願を發し玉ふ文あるや。其經文を承りたし。かく明 |
Z14_0154A10: | 白なる四明の釋を捨て。其方の文もなき。妄義に誰か |
Z14_0154A11: | 依んや。此段の如く。本を忘れて末により。名に迷ふ |
Z14_0154A12: | て義に昩きは。平生自負せらるゝが如く。精しき學問 |
Z14_0154A13: | とは。さら〱いひ難きなり。次に攝取の言。無量 |
Z14_0154A14: | 壽經にはなく。觀經に。念佛衆生。攝取不捨等とある |
Z14_0154A15: | が故。此も觀經のことなりと云るゝは。此も亦名に迷 |
Z14_0154A16: | ふて。義に昩きことなり。本願にて攝取すと云は。念 |
Z14_0154A17: | 佛の行者を攝め取て。淨土へ引接し玉ふ義なれば。必 |
Z14_0154B01: | 爲二彼佛本願一攝取との玉ふ。攝取の言が。無量壽經の |
Z14_0154B02: | ことに。なるまじき樣はなし。因て此第十八念佛往生 |
Z14_0154B03: | の願を。淨影の遠師は。攝衆生願と科し。義寂法師は。 |
Z14_0154B04: | 攝取至心欲生願といへり。名に迷はず。義に明かなる |
Z14_0154B05: | 名師達は。かくの如くなり。たゞ他師のみに非ず。四 |
Z14_0154B06: | 明尊者も妙宗に。於二世自在王佛所一。發二四十八願一。取二 |
Z14_0154B07: | 此淨土一。攝二諸衆生一との玉へり。此攝諸衆生とある攝 |
Z14_0154B08: | の字は。正しく攝取のことならずや。四明の祖意。已 |
Z14_0154B09: | に四十八願を以て。諸の衆生を攝取すと云。御合點な |
Z14_0154B10: | るが故。今も亦彼佛號を稱する人を爲二本願一攝取との |
Z14_0154B11: | 玉へり。攝取の二字に取てかゝり。何かと無理を云る |
Z14_0154B12: | ゝは。甚だ義に昩きこと。亦これ自在坊風ならずや。 |
Z14_0154B13: | 次に捨此報身等の言も。觀經にあると云るゝは。亦名 |
Z14_0154B14: | に迷ふて。義に昩きことなり。無量壽經の中に。願生 |
Z14_0154B15: | 彼國。卽得往生とのべ。本願の文には。欲生我國とあ |
Z14_0154B16: | るが。本願に依て。極樂國土に往生するには。此娑婆 |
Z14_0154B17: | 界の果報の身を捨る義は。なしや否や。捨る義なしと |