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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0154A01: と。決定なり。因て今引れし觀經の。華座觀の下の妙
Z14_0154A02: 宗に。彼佛因中。作菩薩比丘。名爲法藏世自在王
Z14_0154A03: 佛所。發四十八願。取此淨土。攝諸衆生。今願力成。
Z14_0154A04: 故令所依華座若一レ此と云て。法藏比丘。世自在王佛の
Z14_0154A05: 所にして。四十八願を發し玉ふを引き。此本願力に
Z14_0154A06: て。所依の蓮華座が。かくの如く。微妙なりと釋し玉
Z14_0154A07: ふは。正しく無量壽經の說を。さし玉ふこと明白な
Z14_0154A08: り。但し觀經の中にも。世自在王佛の所にして。四十
Z14_0154A09: 八願を發し玉ふ文あるや。其經文を承りたし。かく明
Z14_0154A10: 白なる四明の釋を捨て。其方の文もなき。妄義に誰か
Z14_0154A11: 依んや。此段の如く。本を忘れて末により。名に迷ふ
Z14_0154A12: て義に昩きは。平生自負せらるゝが如く。精しき學問
Z14_0154A13: とは。さら〱いひ難きなり。次に攝取の言。無量
Z14_0154A14: 壽經にはなく。觀經に。念佛衆生。攝取不捨等とある
Z14_0154A15: が故。此も觀經のことなりと云るゝは。此も亦名に迷
Z14_0154A16: ふて。義に昩きことなり。本願にて攝取すと云は。念
Z14_0154A17: 佛の行者を攝め取て。淨土へ引接し玉ふ義なれば。必
Z14_0154B01: 彼佛本願攝取との玉ふ。攝取の言が。無量壽經の
Z14_0154B02: ことに。なるまじき樣はなし。因て此第十八念佛往生
Z14_0154B03: の願を。淨影の遠師は。攝衆生願と科し。義寂法師は。
Z14_0154B04: 攝取至心欲生願といへり。名に迷はず。義に明かなる
Z14_0154B05: 名師達は。かくの如くなり。たゞ他師のみに非ず。四
Z14_0154B06: 明尊者も妙宗に。於世自在王佛所。發四十八願。取
Z14_0154B07: 此淨土。攝諸衆生との玉へり。此攝諸衆生とある攝
Z14_0154B08: の字は。正しく攝取のことならずや。四明の祖意。已
Z14_0154B09: に四十八願を以て。諸の衆生を攝取すと云。御合點な
Z14_0154B10: るが故。今も亦彼佛號を稱する人を爲本願攝取との
Z14_0154B11: 玉へり。攝取の二字に取てかゝり。何かと無理を云る
Z14_0154B12: ゝは。甚だ義に昩きこと。亦これ自在坊風ならずや。
Z14_0154B13: 次に捨此報身等の言も。觀經にあると云るゝは。亦名
Z14_0154B14: に迷ふて。義に昩きことなり。無量壽經の中に。願生
Z14_0154B15: 彼國。卽得往生とのべ。本願の文には。欲生我國とあ
Z14_0154B16: るが。本願に依て。極樂國土に往生するには。此娑婆
Z14_0154B17: 界の果報の身を捨る義は。なしや否や。捨る義なしと

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