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Z1410 即心念仏弾妄録 性慶 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z14_0148A01:  念。能稱所稱。皆三諦法界と照すなり。此れ豈吾所
Z14_0148A02:  謂る卽心念佛に非ずや。談義本の始終。皆此の心な
Z14_0148A03:  り云云
Z14_0148A04: 彈曰。引るゝ所の。妙宗鈔の文を。とく〱見られよ。
Z14_0148A05: 若此觀門。及般舟三昩。託彼安養依正境。用微妙觀
Z14_0148A06: 專就彌陀。顯眞佛體と云て。たゞこれ心妙觀を以
Z14_0148A07: て。彼安養の依正の境を。唯心法界と觀じ。專ら阿彌
Z14_0148A08: 陀佛に就て。眞佛の體を顯す。意論止觀の方の同きを
Z14_0148A09: 取て。一等に擧玉へり。全く口說默の下なる。口常唱
Z14_0148A10: 名の方を。一同し玉ふには非ず。般舟三昩には。或先
Z14_0148A11: 念後唱等と云て。觀念の外に。唱名を明し玉へども。
Z14_0148A12: 妙宗の始終。修觀の行者の。佛名を唱ることは。終に
Z14_0148A13: なし。妙宗の中。何れの處にか。口常唱名の方を。此經
Z14_0148A14: と般舟三昩と。同じとの玉ふことあるや。其文證を明
Z14_0148A15: かに出さるべし。左樣の文は。決してあるまじきな
Z14_0148A16: り。
Z14_0148A17:  重重文證もなき。妄料簡の妄義ばかりを云るゝ
Z14_0148B01:  が故。節節其證文を出さるゝ樣にと。詰問するこ
Z14_0148B02:  となり。本より妄料簡のことなれば。何れも明文
Z14_0148B03:  を出すことはなるまじ。
Z14_0148B04: その文證なきからは。たゞ般舟三昩の。兩佛を境とし
Z14_0148B05: て觀ずる。意論止觀の方ばかりを。一同し玉ふが故。
Z14_0148B06: 此れにて。いよ〱卽心念佛の念の字は。たゞ心觀の
Z14_0148B07: 觀念なること明かに顯れたり。妙宗の文義を。とくと
Z14_0148B08: 合點せず。觀經と般舟三昩とを。一同し玉ふ祖意を。
Z14_0148B09: よく曉らしめずして。
Z14_0148B10:  此度止觀も妙宗も。見らるべけれども。心觀道の
Z14_0148B11:  上になき人なれば。視而不見なり。可憐と。此方
Z14_0148B12:  を妄りに破さるゝは。反て其方の身の上のこと
Z14_0148B13:  なりと。能く省みらるべし。
Z14_0148B14: 止觀の般舟三昩に。口常唱名とあるが故に。觀經にも
Z14_0148B15: 同じく唱名の行を明すべしと云るゝは。面如滿月と
Z14_0148B16: 說て。佛の面貌の圓滿なる方を。秋の滿月に譬へたる
Z14_0148B17: を聞て。月には盈虧があれば。佛の面貌にも。盈たり

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