浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0105A01: | が如。能ものを。思て見られよ。天台敎觀中興の師が。 |
Z14_0105A02: | 萬人會を結で。年々念佛會を行玉ふに。敎觀の心を忘 |
Z14_0105A03: | 玉ひて。すむものなりや。敎行錄の頓て下にある。放 |
Z14_0105A04: | 生文を見るに。四明尊者は。水族飛禽の魚烏にさへ。 |
Z14_0105A05: | 一體三寶。甚深妙法を授玉ひて。卽汝心性。不レ遠而復 |
Z14_0105A06: | 汝等應下當深信二此理一。而歸中向之上と。の玉へり。穢跡金 |
Z14_0105A07: | 剛威神力にて。魚烏も妙法を聞得べし。魚鳥にさへ。 |
Z14_0105A08: | 卽心三諦理を。說かけ玉ふ四明が。信心ある萬人念佛 |
Z14_0105A09: | 申に。卽心三諦理を。說示し玉ふまじき樣は。決して |
Z14_0105A10: | なきことなり。大津。坂本の行翁行婆。學問はせまじ |
Z14_0105A11: | けれども。生付賢人は。多るべし。天台の念佛會に預 |
Z14_0105A12: | て。卽心念佛の妙理を聽聞はせず。法然流の。事の念 |
Z14_0105A13: | 佛計を聽聞するは。本意なきことなり。四明の時分 |
Z14_0105A14: | の魚鳥にだも。しかざるにて。殘多ことなり。さて疏 |
Z14_0105A15: | の文の。若欲レ生レ彼。但當下稱二彼佛號一。修中佛慈上と云文 |
Z14_0105A16: | を引て。理觀のことは。一言も云ずと云るゝは。なに |
Z14_0105A17: | としたることぞや。盲たる人は。目の前にある物も。 |
Z14_0105B01: | 見へぬゆへ。なしと云なり。明に之有理觀を。なしと |
Z14_0105B02: | 云るゝは。學問の目の。曾て是へぬなり。前に云し通。 |
Z14_0105B03: | 修彼佛慈とは。佛の三慈悲にて。三諦法界なり。三諦 |
Z14_0105B04: | 法界は。諸佛の所證。衆生の本源なり。何とて。理觀の |
Z14_0105B05: | こと。一句もなしと云るゝや。修彼佛慈と云が。三諦 |
Z14_0105B06: | を修することにてなくば。修彼佛慈と云は。何ごとを |
Z14_0105B07: | 云るや。其相。明に述られよ。修彼の修の字は。疏の初 |
Z14_0105B08: | に之有。順性而修の修の字にて。一念本融の三諦を。 |
Z14_0105B09: | 修觀することなり。上下の文相照して。佛名を唱て。 |
Z14_0105B10: | 三觀を修する相。明なれば。吾所謂。卽心念佛に非し |
Z14_0105B11: | て。何ぞや。但の字を能見られよ○彼土に往生す。 |
Z14_0105B12: | 彼人。文字學問。一向不埓なること。昔より今に同こ |
Z14_0105B13: | となり。此云分にては。但の字が。顛倒なり。當但とあ |
Z14_0105B14: | るべきことなり。尤加樣の言。當の字の上にあること |
Z14_0105B15: | あれども。今彼人の見樣にては。顛倒なり。譯文など |
Z14_0105B16: | したる人は。初心なる人も。合點の行ことなり。去ど |
Z14_0105B17: | も。今但の字が上にある譯は。初心なる人は。ちとす |