浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0103A01: | 三諦のことを云ずして。不離心性。故曰心觀と計りの |
Z14_0103A02: | 玉ふは。大に非なりと。云べしや。妙宗の前後に。三諦 |
Z14_0103A03: | 三觀のこと。多ありと云れば。吾談義本にも。一心が |
Z14_0103A04: | 三諦なりと云ことは。いかほどもあることなり。總じ |
Z14_0103A05: | て。彼人は。言句計に取付て。得意忘言することは。曾 |
Z14_0103A06: | てならぬなり。それゆへ。人の得意らしき言をば。一 |
Z14_0103A07: | 圓合點せず。結句難ぜらるゝなり。談義本の補助記 |
Z14_0103A08: | に。中論因緣所生法。一句道盡無二剩語一の頌を出せり。 |
Z14_0103A09: | 此心などは。彼人は。一圓合點せず。因緣所生法と云 |
Z14_0103A10: | 所に。どこに三諦がある。どこに三觀がある。因緣所 |
Z14_0103A11: | 生法の次にこそ。三諦の名は出たれと。云れねばかな |
Z14_0103A12: | わぬなり。ちと道理の合點のいた人は。大に笑べきこ |
Z14_0103A13: | となり。さて彼人は。彌陀の身相を。三諦法界と觀 |
Z14_0103A14: | ずるが。約心觀佛。卽心念佛なり。口に申念佛の外な |
Z14_0103A15: | りと。云るゝは。妄分別の至なり旭師は。執持名號に |
Z14_0103A16: | 付て。事持。理持を立られたり。其理持は。正しく卽心 |
Z14_0103A17: | 念佛なり。天台は。普門品の一心稱名を。事理の一心 |
Z14_0103B01: | を以て。釋し玉へり。其理の一心は。卽心念觀音なり。 |
Z14_0103B02: | 申唱る外のことにてはなし。なにとて申外に。卽心念 |
Z14_0103B03: | 佛ありと云るゝや。談義本に。證據出處を明に出して |
Z14_0103B04: | 置ども。得合點せずして。妄難をせらる。 四明と別 |
Z14_0103B05: | 段に。私に拵てと云るゝこと。無理非道なる難なり。 |
Z14_0103B06: | 此方は。四明の卽心念佛の言を。觀念と計は心得ず。 |
Z14_0103B07: | 定の通。念佛の言は。心念。口稱に通ずるゆへ。口稱の |
Z14_0103B08: | 邊を取て。一會の談義となすなり。委しく前に云しが |
Z14_0103B09: | 如し。自分に念佛の言の。心念口稱に通ずることを。 |
Z14_0103B10: | 打忘て。紛らかすと云るゝなり。それは彼人の紛れ分 |
Z14_0103B11: | 別なり。此方に預ぬことなり。談義本の僞作なるこ |
Z14_0103B12: | とを辨ずるなり。わけの聞ぬ書やうを又出さる。 |
Z14_0103B13: | 辨僞にさて上に卽心念佛を○決してなるまじきな |
Z14_0103B14: | り。此段は。なにとしたるわけもなきことを云るゝ |
Z14_0103B15: | や。諦觀を云ず。觀ぜずして。南無阿彌陀佛と念佛申 |
Z14_0103B16: | を。卽心念佛と云ことは。此方には曾て云ず。それは |
Z14_0103B17: | 誰の立義なるや。此方に云ぬことゆへ。其明文を出す |