浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z14_0061A01: | 佛本願一攝取。捨二此報身一。定生二彼國一。具如二經說一。實匪二 |
Z14_0061A02: | 臆談一。云云此もまた卽心唯心の理觀のことは。一言も |
Z14_0061A03: | 云ず。たゞ事相本願の念佛の。一道ばかりを。慇懃に |
Z14_0061A04: | 勸め玉へり。また但當レ稱二彼佛號一といへる。但の字を |
Z14_0061A05: | よく見られよ。卽心の理觀を修せざれども。たゞ口稱 |
Z14_0061A06: | 念佛の。一道ばかりにて。定て彼土に往生すと。勸め |
Z14_0061A07: | 玉ふ文義。最も明白なり。復次に具如二經說一といへる |
Z14_0061A08: | 經說とは。三部經の中には何れそや。次上に必爲二彼 |
Z14_0061A09: | 佛本願一攝取。定生二彼國一とあるが故に。四十八願を說 |
Z14_0061A10: | 玉ふ。無量壽經なること必定なり。爾らば四明尊者 |
Z14_0061A11: | も。卽心念佛の旨を明さぬ。無量壽經の本願の說に依 |
Z14_0061A12: | て。たゞ本願口稱の念佛を。無智の男女も簡ばず。普 |
Z14_0061A13: | く萬人に勸め玉へるなり。 |
Z14_0061A14: | 賀山にて。勝蓮社を結し。普く僧俗男女を勸め |
Z14_0061A15: | て。念佛せしむるは。此四明の舊式によるが故な |
Z14_0061A16: | り。これ新法なることに非ず。また他宗の義を取 |
Z14_0061A17: | 用るにも非ず。而るに蓮社事相の念佛を勸るを |
Z14_0061B01: | 見て。天台宗になりたる甲斐なく。可笑ことをす |
Z14_0061B02: | る樣に思ふ人は。卽ち天台中興の祖師なる四明 |
Z14_0061B03: | 尊者を笑ふと云ものなり。天台宗と云るゝ人の。 |
Z14_0061B04: | 四明尊者の勸めを笑ふことは。あるまじきこと |
Z14_0061B05: | ならずや。 |
Z14_0061B06: | かくの如く。四明尊者。事相の念佛をも。弘め玉ふこ |
Z14_0061B07: | と明白なるに。此を知ずして。たゞ卽心念佛の一道 |
Z14_0061B08: | を。勤め玉ふと云るゝは。甚た當らぬことなり。もし |
Z14_0061B09: | 妙宗の序に。願共二有情一。卽心念佛と。の玉ふによつて。 |
Z14_0061B10: | 四明はたゞ理觀の一道ばかりを弘め玉ふと。强て云 |
Z14_0061B11: | れば。淨社の疏に。但當レ稱二佛號一とあるによつては。 |
Z14_0061B12: | 四明尊者は。たゞ事相念佛の。一道ばかりを勤め玉ふ |
Z14_0061B13: | と云べきや。左樣に云ては。事相理觀。雙へて弘め玉 |
Z14_0061B14: | ふ。四明の祖意には。大に背くなり。 又宋朝の慈雲 |
Z14_0061B15: | 大師は。四明の同學にして。學行兼備の名師なるが。 |
Z14_0061B16: | 深く淨土の往生を願ひ。示二人念佛方法一と題して。一 |
Z14_0061B17: | 篇の文を作り。念佛申す法式を示し玉へり。其文を略 |