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Z0510 心行雑決 然空 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z09_0130A01: 思ふなり。問。か〻る本願の不思議とはおほかたし
Z09_0130A02: りながら。猶さてもいかがあらむなど疑心の發るお
Z09_0130A03: り〱あり。是は深信なき故といふべきにや。答。
Z09_0130A04: それは深信具したる人も。此疑發す事もあるなり。但
Z09_0130A05: しあら〱しく本願を疑ふはわろし。本願をば隨分
Z09_0130A06: に信じたるも。かまへてと思ふ事なれば。かたきとお
Z09_0130A07: ぼゆるは。志の上の疑とてゆるさる〻也。此世ざまに
Z09_0130A08: も。深くさあれかしとおぼゆる事は。一定ときく上に
Z09_0130A09: も。猶いかがなど覺ゆるぞかし。さればこれもせめて
Z09_0130A10: の心とこそしらるれ。三に廻向發願心といふは。我申
Z09_0130A11: す所の念佛を以て。必ず極樂に生ぜんと願ふ也。三心
Z09_0130A12: のやう唯かくのごとし。然るをあるは大事に申す人
Z09_0130A13: もあり。あるはくせ〲しく申す人もあれども。皆々
Z09_0130A14: 僻事なり。心得やすく。又具し安き心としろしめし給
Z09_0130A15: へ。すべて願はざらむ人の事は。沙汰の外なり。願ふ程
Z09_0130A16: の人の具せぬは有まじ。それをあしく心得などしつ
Z09_0130A17: かふまつるは。あさましき事にこそ。常にただまめや
Z09_0130B01: かに本願を信じて佛たすけさせたまへと思ふがよき
Z09_0130B02: 事にてぞ侍る。
Z09_0130B03: 三心をなま心に具し。又一もかけなん念佛は。申すと
Z09_0130B04: (いたづら)(ごと)にやの御尋。是はなま具しなる三心は。あるは
Z09_0130B05: 極樂の邊地と申すところへゆき。あるは懈鬘國など
Z09_0130B06: 申す所へむまる〻類なり。又一もかけぬれば。やがて
Z09_0130B07: はかなひやらねども。次の生によき人の道心ありて。
Z09_0130B08: 本願を深く信ずる人になりて。そのたびかならず往生
Z09_0130B09: をとげ申すとこそ候へ。さればいづれにても念佛の
Z09_0130B10: 徒になるといふ事はまたくなきなり。
Z09_0130B11: この世の人の。うるはしく我が爲めと心ざし。ふかき
Z09_0130B12: 事もあらんには。いかにもなをざりにおぼえじを。是
Z09_0130B13: 程いみじき本願をき〻ながら。なきおめきてもよろ
Z09_0130B14: こばぬは。往生一定などはおぼえぬからと。我心なが
Z09_0130B15: らさぐり疑はる〻といふ御尋の事。これは實にこれほ
Z09_0130B16: ど有難き本願を聞て。只うれしくこそなど。世の常め
Z09_0130B17: かしく申す事は。心ざしのあさきにやといはれぬべ

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