ウィンドウを閉じる

Z0400 空花和歌集 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0359A01: 慈照導師云。有行無キハ願。其行必孤。有
Z08_0359A02: キハ行。其願必虛。行願雙。方寶池
Z08_0359A03: 云云。上人云。極樂のねがはしからず。念佛のまう
Z08_0359A04: されざらんばかりは。往生のさはりとなる云云。
Z08_0359A05: ○光明遍照十方世界念佛衆生攝取不捨の心を
Z08_0359A06: 月かけのいたらぬさとはなけれとも
Z08_0359A07: なかむる人のこ〻ろにそすむ
Z08_0359A08: 此歌。續千載集に入たり。案ずるに。是は紀貫之の歌
Z08_0359A09: に。
Z08_0359A10: かつみれとうとくもあるかな月かけの
Z08_0359A11: いたらぬ里もあらしとおもへは
Z08_0359A12: とある詞をとれり。題の四句は觀經の要文なり。歌
Z08_0359A13: の上の句は。光明遍照の心にて。無邊光の義なり。下
Z08_0359A14: の句は。攝取不捨の心にて。平等の上の差別をよめ
Z08_0359A15: り。たとへば。あまねくてらす月の光も。情ある人の
Z08_0359A16: 前には。わきて澄まさるべきがごとく。佛光は平等
Z08_0359A17: なれども。念ぜざれば。自然にその益なし。念佛の衆
Z08_0359A18: 生は彼佛の本願に順ずるが故に。攝め取て捨て給
Z08_0359A19: はず。その義撰擇集にあそばせるがごとし。
Z08_0359A20: 拾玉集
Z08_0359B01: 月はよな明石のうらそ更科も
Z08_0359B02: た〻見る人の心にそすむ
Z08_0359B03: 新勅撰 高辨上人
Z08_0359B04: 月かけはいつれの山とかわすとも
Z08_0359B05: すます峰にやすみまさるらん
Z08_0359B06: 續千載集廿卷。文保三年己未四月十九日。依
Z08_0359B07: 後宇多院院宣。前權大納言爲世卿撰之。○此
Z08_0359B08: 歌は第十卷釋敎部に有り。○靈芝云。當。我輩
Z08_0359B09: M(シテ)佛光。都覺知。佛光M(シテ)。略無
Z08_0359B10: 。猶如肓人日輪下云云。○撰擇云。餘行
Z08_0359B11: ルカ本願。不-攝。念佛本願ナルカ
Z08_0359B12: 。照-攝。故善導和尙六時禮讚云。彌陀
Z08_0359B13: 身色金山。相好光明照十方。唯有念佛ノミ
Z08_0359B14: 光照。當知本願最爲云云。○新後撰。大
Z08_0359B15: 江賴重。草の原ひかり待つとは露にこそ。月もわ
Z08_0359B16: きては影やとしけれ。○是も光明遍照の文の心也。
Z08_0359B17: ○三心の中の至誠心の心を
Z08_0359B18: 往生は世にやすけれとみな人の
Z08_0359B19: まことのこ〻ろなくてこそせね
Z08_0359B20: 三心は觀經の說なり。その第一を至誠心といふ。善

ウィンドウを閉じる