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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0336A01: さながらわれらが本有の悟なり。それを彌陀佛の。修
Z08_0336A02: 得顯現し給へるにてこそあれ。故に歸去來といひ。還
Z08_0336A03: 本家ともいふ。さらにうたがひなし。た▲し如此いへ
Z08_0336A04: ばとて。己身の彌陀。唯心の淨土なれば。外にもとむ
Z08_0336A05: べからずといふには。雲泥萬里也云云。●九五)これ
Z08_0336A06: 述作の本懷をのぶる也。又これ前の二鈔をつらぬく
Z08_0336A07: 詞也。龍を畫て睛を點ずるがごとし。●(九六)樂は四
Z08_0336A08: 德をきはめ。大悟成佛のすみやかなること。まことに
Z08_0336A09: 往生の大利なり。不可思議にしてまた不可思議なる
Z08_0336A10: をや。○是一部の摠讚なり。●(九七)巨益あるゆへな
Z08_0336A11: り。●(九八)佛の本願成就し給へるゆへぞと也。法藏
Z08_0336A12: 比丘たりし時の。六度萬行を行といひ。四十八願を因
Z08_0336A13: といふ。釋。法藏行因廣弘願。又云。本誓重願不
Z08_0336A14: シカラ。●(九九)證は菩提。果は𣵀槃。すなはち二轉依
Z08_0336A15: なり。○又。行證の二字はかろし。た▲因果の對なり。
Z08_0336A16: ○此二句は上下にか〻る。●(一〇〇)これ又衆生の行
Z08_0336A17: 因なり。●(一〇一)これ我等が證果なり。一部のをは
Z08_0336A18: りに題號の字を用ひてむすび給へり。父子相迎する
Z08_0336A19: によりて。我性の家父をさとると也。○是迄を正宗と
Z08_0336A20: し以下を流通分といへり。●(一〇二)雲漢はあまの川
Z08_0336B01: なり。文選李周翰。雲漢天河也。已上うき〻は
Z08_0336B02: 楂の字也。唐韻。楂水中浮木也。これは故事な
Z08_0336B03: り。前漢の張騫。うき〻にのりて天河にいたりし事な
Z08_0336B04: り。○張華博物志。天河與海通。海濱年々八
Z08_0336B05: 月。有浮槎往來不。博望侯張騫。乃多
Z08_0336B06: 糧食。乘M(シテ)而去。怱々トM(シテ)晝夜。奄
Z08_0336B07: 。見城郭居室。望室中織婦。見丈夫。
Z08_0336B08: 渚次一レ。驚。之此人何
Z08_0336B09: 騫乃問。此。答。君可嚴君
Z08_0336B10: 乃如クス。君平曰。某年月日有客星。犯セリ
Z08_0336B11: 斗牛。卽汝レル天河也云云。此心をよめる。仲綱和田
Z08_0336B12: のはら波ちはるかにゆく舟を。うき〻にのれる人か
Z08_0336B13: とそ見る。源氏。松風の卷にも此心をよめり。●(一〇三)
Z08_0336B14: 念佛の本願にのりて。極樂の本家にかへれと也。●
Z08_0336B15: (一〇四)彥琮法師。寄心輩。共
Z08_0336B16: 苦界。光明大師。努力翻シテ本家。○かの
Z08_0336B17: 胡馬北風にいばえ。越鳥南枝にすくふは。みな古里を
Z08_0336B18: こふるゆへなり。われら何ぞ本家をねがはざらん。衆
Z08_0336B19: 生たれか慈父を念ぜざらん。安樂國讚。父
Z08_0336B20: 其子。子常セヨ其父。念々若相應セハ。還

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