浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0335A01: | 身ノ月圓ナリ。○下に引たるは般舟讚の文なり。これ正 |
Z08_0335A02: | しく一部の旨歸。勸讚の本意なり。つ〻しみて。なをざ |
Z08_0335A03: | りにすることなかれ。●(九〇)あらたに極樂にうま |
Z08_0335A04: | れて。彌陀にまみゆる也。○是は始覺なり。下の句は |
Z08_0335A05: | 本覺に同ずる也。●(九一)往生の日は。はじめあるに |
Z08_0335A06: | 似たれども。證悟の時にいたりては。始覺すなはち本 |
Z08_0335A07: | 覺に融して。古鄕にかへり。わが父にあふなり。記ニ |
Z08_0335A08: | 云ク。本覺ノ眞我。名テレ之ヲ爲スレ我ト。眞如之城ヲ名ク二法王 |
Z08_0335A09: | 家ト一。新拾遺第十七に。此文の心を。雙救上人さらにま |
Z08_0335A10: | た〻つねきたれとすみなれし。むかしの花の都なり |
Z08_0335A11: | けり。○釋大衍論ニ云ク。若得レハ二始覺ヲ一。還テ同ス二本覺ニ一。 |
Z08_0335A12: | 同鈔ニ云ク。始覺ト與二彼ノ本覺一。靈知之性冥然トM(シテ)不 |
Z08_0335A13: | 二ナリ。●(九二)本覺眞如の理に歸して。始本不二。凡 |
Z08_0335A14: | 聖一如の時。●(九三)十劫以前始覺の彌陀。始成の極 |
Z08_0335A15: | 樂なり。依正とは。依報と正報と也。三藏法數ニ云ク。依ハ |
Z08_0335A16: | 謂ク依報。卽チ佛所依之國土。正ハ謂ク正報。卽チ佛能依 |
Z08_0335A17: | 之色身ナリ。○拙庵云ク。始覺滿足シ。本覺究顯スレハ。始本 |
Z08_0335A18: | 一合M(シテ)。無二復分張一。又云ク。國土ハ屬シレ依ニ。佛身ハ屬スレ正ニ。 |
Z08_0335A19: | 依正旣ニ居ス二一心ニ一。一心豈分シヤ二能所ヲ一。是ノ故ニ彌陀ノ身 |
Z08_0335A20: | 土ハ。不レ離二我カ心ヲ一。金剛錍ニ云ク。故ニ知ス。果地依正融 |
Z08_0335B01: | 通ス。竝ニ依カ二衆生ノ理本ニ一故也。法智大師ノ云ク。法界圓 |
Z08_0335B02: | 融。不思議ノ體。作二我一念之心ト一。亦復擧體。作リレ生ト作リレ |
Z08_0335B03: | 佛ト。作リレ依ト作ルレ正ト。惠心ノ云ク。又非三啻ニ凡下有ノミニ二佛 |
Z08_0335B04: | 性一。亦乃聖人備ヘタリ二凡性ヲ一。金錍論ニ云ク。阿鼻ノ依正ハ。 |
Z08_0335B05: | 全ク處シ二極聖ノ自心ニ一。毗盧ノ身土ハ。不レ逾ヘ二凡下ノ一念ヲ一 |
Z08_0335B06: | 云云。極聖凡下ノ因果。遙ニ異ナレ𪜈卽是旣ニ一如ナリ。中間ノ |
Z08_0335B07: | 諸界ノ機應。相近キヿ准M(シテ)レ之ニ可レ知ル。●(九四)果佛圓明 |
Z08_0335B08: | の體は。すなはち。われら本具の性德なり。今すでに |
Z08_0335B09: | 性具の身土あらはれて。修性冥妙なり。されば極樂と |
Z08_0335B10: | いひ。彌陀と申すも。もとよりわが佛性にそなはりた |
Z08_0335B11: | る依正ぞと也。依報の極樂は。本來の法王家なり。正 |
Z08_0335B12: | 報の彌陀は。性具の慈父なり。まことに彌陀佛に別 |
Z08_0335B13: | の所證なし。またく衆生の本性を。さとりて成佛した |
Z08_0335B14: | まへるゆへなり。了譽上人曰ク。そのさとりは本不生の |
Z08_0335B15: | 心地。入一法句の理性なり。その心理は。三世諸佛と。 |
Z08_0335B16: | 法界の衆生と。無二無別なり。彌陀は曠劫に道を行じ。 |
Z08_0335B17: | 我等が心理をさとりて。淸淨の依果を成し給ふ。第一 |
Z08_0335B18: | 義諦。妙境〓相の淨土これなり。われらは淨業を修し |
Z08_0335B19: | て。淨土に超入すれば。彌陀佛の淸淨の依果に合會す。 |
Z08_0335B20: | すなはち入一法句これ也。極樂の入一法句といふは。 |