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Z0390 父子相迎諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0215A01: 父子相迎上本諺註
Z08_0215A02: 夫。(一)四生の(二)群品(三)いまだいやしとせず。(四)
Z08_0215A03: みな(五)をのづから(六)佛乘の性を(七)う(稟)け
Z08_0215A04: たり。(八)十號の尊位。(九)なんぞのぞ(望)まざら
Z08_0215A05: ん。(一〇)たれかもと(素)より法王の(オン)()にあらざ
Z08_0215A06: るや。(一一)しかあれども。(一二)われら(一三)ひと
Z08_0215A07: たび(一四)自家を(一五)まど(惑)ひいで〻。(一六)な
Z08_0215A08: がく(一七)他鄕に(一八)とら(捕)はれてしよりこの
Z08_0215A09: かた。(一九)魔王(二〇)譜代の(二一)やつこ(奴)(二二)
Z08_0215A10: として。(二三)六道(二四)縱橫に(二五)かりつかひ
Z08_0215A11: (駈使)にしかば。(二六)身つたなくして(二七)性を
Z08_0215A12: も。名をもいはず。(二八)心をろかにして父をも。母
Z08_0215A13: をもおもはずなりぬ。(二九)あやま(過)て(三〇)名利
Z08_0215A14: のひとや(獄)を。(三一)迷境の(三二)なかにかまへ。
Z08_0215A15: (三三)恩愛のきづなを。(三四)妄緣のうへに(三五)
Z08_0215A16: むすびぬるのちは。(三六)安養を(三七)本國ときけ
Z08_0215A17: ども。(三八)ゆめ〱かへらん心もなく。(三九)彌陀を
Z08_0215A18: 慈父といへども。(四〇)つや〱(四一)なつか(愛)し
Z08_0215A19: き(四二)おもひもなし。た▲穢土の(四三)五欲を。
Z08_0215B01: (四四)またなき物にして。(四五)淨刹の(四六)四德
Z08_0215B02: を。(四七)ないがしろ(蔑)にせり。(四八)これひとへ
Z08_0215B03: に。(四九)倒見(五〇)めをくるめか(眩)し。(五一)著
Z08_0215B04: 想(五二)こ〻ろをゑ(醉)はすに(五三)よりてなり。(五
Z08_0215B05: 四)しづかにこれを思へば。心驚悲歎にたえ(へ)ず。
Z08_0215B06: (不勝)(五五)はやくこれをこしら(誘)へて。(五六)父子
Z08_0215B07: 相迎せしめんとおもふ。これがために。魔鄕に(五七)
Z08_0215B08: と▲こほ(停)るまよひをいさめて。(五八)佛國を(五
Z08_0215B09: 九)こふる(六〇)心をすめ〻ん。(六一)そのまよひ
Z08_0215B10: 百端(六二)なりといへども。ことにをろかなるは四
Z08_0215B11: 倒にあり。(六三)一には(六四)きはめて不淨なる身
Z08_0215B12: を(六五)きよしとおもふ。これはなはだ(六六)をろ
Z08_0215B13: かなり。(六七)しらんとおもは▲。(六八)をのが身の
Z08_0215B14: うちをさぐり見よ。(六九)ながくみじかきほね。(七〇)
Z08_0215B15: ふし〲をつぎあつめたるに。(七一)ふとくほそき
Z08_0215B16: すぢ。そのつぎめ〱をくさり(鎖)あやつ(機)りて。
Z08_0215B17: (七二)それに。あかきし〻むら(臠)をまつ(絢)ひ。(七三)
Z08_0215B18: うへにしろきかはをはれり。(七四)かうべには。(七五)
Z08_0215B19: なづき(腦)を(七六)いれていた▲き。はらには。はら
Z08_0215B20: わた(膓)をつ〻みてか〻へたり。(七七)いづくかひと

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