浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0200A01: | る事にて死するも。日頃念佛申て。極樂へまいる心だ |
Z08_0200A02: | にもある人ならば。息のたえん時に。佛菩薩來迎し給 |
Z08_0200A03: | ふべし。已上●(三十二)おほな〱とは。無敢無敢の字 |
Z08_0200A04: | にて。こまやかに親切なる心なり。〓源氏の桐つぼ |
Z08_0200A05: | に。御心につくべき御あそびをし。おほな〱おほ |
Z08_0200A06: | しいたつくといへり。弄花抄に。ねんごろの心と |
Z08_0200A07: | あり。祕抄にあふな〱。おほな〱同じ詞なりと有。 |
Z08_0200A08: | いせ物がたりには。あふな〱と有を。眞名本記。隨分の字をかけり。○あひなたのみとは。是 |
Z08_0200A09: | も源氏の語なり。弄花抄に。かひなきたのみといふ事 |
Z08_0200A10: | なりと有。無愛無間と書くなり。又人の愛せざるをた |
Z08_0200A11: | のむ義なり。三光院の御說又あぢきなき心もあり。又さもあ |
Z08_0200A12: | るまじき事を。さもあらんとたのむ心なり。源氏の抄に見ゆ。箒 |
Z08_0200A13: | 木の卷に。とし月をかさねんあひな。たのみいとくる |
Z08_0200A14: | しくなんあるべければと有。●(三十三)これたとへな |
Z08_0200A15: | り。○さこそあれとは。さうこそあるものなれとの心 |
Z08_0200A16: | なり。○まことしきとは。信ある人の事なり。五常の中の信なり。 |
Z08_0200A17: | ○おもひまうけとは。その時の心なり。○期は時な |
Z08_0200A18: | り。○中々は。かへりてなり。世話に結句といふが |
Z08_0200A19: | ごとし。●(三十四)苦痛は身のくるしみ。狂亂は心の |
Z08_0200A20: | みだる〻なり。これ地獄の苦の。きたりせまるにあら |
Z08_0200B01: | ず。た▲病のならひなり。また斷末魔の死苦なり。念 |
Z08_0200B02: | 佛者も。人間の八苦はまぬかれず。しかるに世間に不 |
Z08_0200B03: | 覺の人ありて。此ことはりをしらず。臨終にくるしみ |
Z08_0200B04: | あるは。一向に往生せずといふ。ゆ〻しきひが事な |
Z08_0200B05: | り。往生淨土用心ニ云ク。斷末魔の苦とて。八萬の塵勞門 |
Z08_0200B06: | より。無量のやまひ身をせめ。百千の鋒劒にて。きりさ |
Z08_0200B07: | くがごとくして。見んとおもふ物をもみず。舌の根す |
Z08_0200B08: | くみて。いはんとおもふ事もいはれず。これは人間八 |
Z08_0200B09: | 苦の內の死苦なれば。本願を信じて。往生をねがはん |
Z08_0200B10: | 行者ものがれずして。悶絕すとも氣のたえん時は。佛 |
Z08_0200B11: | の力にて。正念になりて往生すべし。臨終は髮筋きる |
Z08_0200B12: | がほどの事なれば。餘所にて凡夫さだめがたし。ただ |
Z08_0200B13: | 佛と。行者との心にてしるべし。已上十勝論ニ云ク。黑谷上 |
Z08_0200B14: | 人書キ二-與ル空阿大德ニ一法語ニ云ク。正念之時。稱名積ミヌレハレ |
Z08_0200B15: | 功ヲ。設ヒ臨終ニ雖レ不ト二稱名念佛一。決定往生スル之由。見タリ二 |
Z08_0200B16: | 群疑論ニ一云云。此ハ是レ。預メ折下及テ二終焉之時ニ一。不レハ二念 |
Z08_0200B17: | 佛セ一者。不ト云レ得二往生ヲ一之邪執ヲ上而已。已上●(三十五)これ |
Z08_0200B18: | まへの問者の詞をうけて。次第にしめし給へる首尾 |
Z08_0200B19: | なり。○按ずるに。機に隨て來迎に遲速あるべし。は |
Z08_0200B20: | やく見佛せば。正念の相も見ゆべし。をそく佛をみん |