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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0200A01: る事にて死するも。日頃念佛申て。極樂へまいる心だ
Z08_0200A02: にもある人ならば。息のたえん時に。佛菩薩來迎し給
Z08_0200A03: ふべし。已上●(三十二)おほな〱とは。無敢無敢の字
Z08_0200A04: にて。こまやかに親切なる心なり。〓源氏の桐つぼ
Z08_0200A05: に。御心につくべき御あそびをし。おほな〱おほ
Z08_0200A06: しいたつくといへり。弄花抄に。ねんごろの心と
Z08_0200A07: あり。祕抄にあふな〱。おほな〱同じ詞なりと有。
Z08_0200A08: いせ物がたりには。あふな〱と有を。眞名本記。隨分の字をかけり。○あひなたのみとは。是
Z08_0200A09: も源氏の語なり。弄花抄に。かひなきたのみといふ事
Z08_0200A10: なりと有。無愛(アイナ)無間(アイナ)と書くなり。又人の愛せざるをた
Z08_0200A11: のむ義なり。三光院の御說又あぢきなき心もあり。又さもあ
Z08_0200A12: るまじき事を。さもあらんとたのむ心なり。源氏の抄に見ゆ。
Z08_0200A13: 木の卷に。とし月をかさねんあひな。たのみいとくる
Z08_0200A14: しくなんあるべければと有。●(三十三)これたとへな
Z08_0200A15: り。○さこそあれとは。さうこそあるものなれとの心
Z08_0200A16: なり。○まことしきとは。信ある人の事なり。五常の中の信なり。
Z08_0200A17: ○おもひまうけとは。その時の心なり。○期は時な
Z08_0200A18: り。○中々は。かへりてなり。世話に結句といふが
Z08_0200A19: ごとし。●(三十四)苦痛は身のくるしみ。狂亂は心の
Z08_0200A20: みだる〻なり。これ地獄の苦の。きたりせまるにあら
Z08_0200B01: ず。た▲病のならひなり。また斷末魔の死苦なり。念
Z08_0200B02: 佛者も。人間の八苦はまぬかれず。しかるに世間に不
Z08_0200B03: 覺の人ありて。此ことはりをしらず。臨終にくるしみ
Z08_0200B04: あるは。一向に往生せずといふ。ゆ〻しきひが事な
Z08_0200B05: り。往生淨土用心。斷末魔の苦とて。八萬の塵勞門
Z08_0200B06: より。無量のやまひ身をせめ。百千の鋒劒にて。きりさ
Z08_0200B07: くがごとくして。見んとおもふ物をもみず。舌の根す
Z08_0200B08: くみて。いはんとおもふ事もいはれず。これは人間八
Z08_0200B09: 苦の內の死苦なれば。本願を信じて。往生をねがはん
Z08_0200B10: 行者ものがれずして。悶絕すとも氣のたえん時は。佛
Z08_0200B11: の力にて。正念になりて往生すべし。臨終は髮筋きる
Z08_0200B12: がほどの事なれば。餘所にて凡夫さだめがたし。ただ
Z08_0200B13: 佛と。行者との心にてしるべし。已上十勝論。黑谷上
Z08_0200B14: 人書-與空阿大德法語。正念之時。稱名積ミヌレハ
Z08_0200B15: 。設臨終稱名念佛。決定往生スル之由。見タリ
Z08_0200B16: 群疑論云云。此。預終焉之時。不レハ
Z08_0200B17: 者。不ト云往生之邪執而已。已上●(三十五)これ
Z08_0200B18: まへの問者の詞をうけて。次第にしめし給へる首尾
Z08_0200B19: なり。○按ずるに。機に隨て來迎に遲速あるべし。は
Z08_0200B20: やく見佛せば。正念の相も見ゆべし。をそく佛をみん

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