浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0195A01: | 三界の生死を此岸といふ。○心やすからずとは。心も |
Z08_0195A02: | となく。氣遣におぼしめす義なり。○天台ノ云ク。生死ヲ |
Z08_0195A03: | 爲二此岸ト一。𣵀槃ヲ爲二彼岸ト一。已上●(七)吉水上人ノ云ク。攝 |
Z08_0195A04: | 取の光明の中に。又化佛菩薩まし〱て。此人を攝護 |
Z08_0195A05: | して。百重千重圍繞し給ふに。信心いよ〱增長し。衆 |
Z08_0195A06: | 苦こと〲く消滅す云云。東大寺十問答ニ云ク。問云。攝 |
Z08_0195A07: | 取の光明は。一度てらしては。いつも不退なると申人 |
Z08_0195A08: | の候は。一定にて候か。答云。此事おほきなるひがごと |
Z08_0195A09: | なり。念佛のゆへにこそ。てらすひかりの。念佛退轉 |
Z08_0195A10: | して後は。何物を便にて〻らすべきぞ。さやうにある |
Z08_0195A11: | ならば。念佛一遍申さぬものやはある。されども往生 |
Z08_0195A12: | するものはすくなく。せざるものはおほきこと。現證 |
Z08_0195A13: | たれかうたがはん。已上さればまことの心たえず。念佛 |
Z08_0195A14: | 退轉なくば。いつもひかりの中にあること。雲の山を |
Z08_0195A15: | つ〻み。魚の水にすむがごとくなるべし。●(八)一期の |
Z08_0195A16: | 間は。佛の御ひかりにつ〻まれ給て。死して後は極樂 |
Z08_0195A17: | の蓮臺にのぼるべし。とてもかくても此身には。おも |
Z08_0195A18: | ひわづらふことなし。●(九)大智律師ノ彌陀經ノ義疏ニ |
Z08_0195A19: | 云ク〓。當レ知。我カ輩處M(シテ)二佛光ノ中ニ一。都テ不トモ二覺知セ一。佛光ハ |
Z08_0195A20: | 常ニ攝M(シテ)略無二厭ヒ棄タマフヿ一。猶如シ〓盲人ノ居ルカ二月輪ノ下ニ一。 |
Z08_0195B01: | 已上異本寶物集第七ニ云ク。彌陀は攝取の光明をはなち |
Z08_0195B02: | て照したまひ。廿五の菩薩は。常に來て守り給へども。 |
Z08_0195B03: | 父母所生の眼。つたなくしてみる事なし。たとへば。眼 |
Z08_0195B04: | しゐたる子を。父母養育すといへども。父母をしらざ |
Z08_0195B05: | るがごとし。已上●(十)二河のたとへとは。上卷にあり |
Z08_0195B06: | し二河白道の譬說の事なり。貪欲瞋恚の心の中に。ま |
Z08_0195B07: | れ〱に極樂をねがふ心あるは。水の川。火の河の間 |
Z08_0195B08: | に。しろくほそき道あるがごとし。それをわたりてゆ |
Z08_0195B09: | くことはあやうけれども。此光明の御手をのべて。行 |
Z08_0195B10: | 者の信手を引き給へば。何のをそれもなく。たのもし |
Z08_0195B11: | きかたうどなり。○(十一)攝取の利益を感歎する詞な |
Z08_0195B12: | り。是はかねて三垢消滅といふことをとへるなり。● |
Z08_0195B13: | (十二)貪欲。瞋恚。愚癡の三毒の煩惱を三垢といふ。消 |
Z08_0195B14: | 滅とは。自然ときゆる義なり。○大經上ニ云ク。其レ有テ二衆 |
Z08_0195B15: | 生一。遇フ二斯ノ光ニ一者ハ。三垢消滅シ。身意柔軟ナリ。歡喜踊躍M(シテ) |
Z08_0195B16: | 善心生ス焉。已上同鈔ニ云ク。三垢等ト者。卽指ス二三毒ヲ一。蒙カ二 |
Z08_0195B17: | 光觸ヲ一故ニ。能ク滅ス二貪等ヲ一。問。設ヒ雖二光力アリト一。具縛ノ凡 |
Z08_0195B18: | 夫。何ソ忽ニ滅ンレ惑ヲ。答。三毒漸ク薄ラク。名テレ之ヲ爲レ滅ト。非レ |
Z08_0195B19: | 謂ハレ斷ストレ惑ヲ。擧テレ要ヲ言ハレ之。發心以前ノ三毒ト。稱念已 |
Z08_0195B20: | 後ノ三毒ト。定テ不レ可レ同カル。三毒若有ハ二微薄ノ分一者。當レ知。 |