浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0177A01: | 法師の事なり。この釋文は。かの師の念佛三昧詩序に |
Z08_0177A02: | あり。廣弘明集卅九。○統紀ニ云ク。大宋ノ太宗。太平興國三年。 |
Z08_0177A03: | 追テ諡シ玉フ圓悟大師凝寂之塔ト一。已上長水ノ云ク。煩惱ト與レ業。 |
Z08_0177A04: | 染汙繫縛ス。喩二之ヲ塵累ニ一。已上●(十七)法然上人の御す |
Z08_0177A05: | すめに。妄念に目をかけず念佛すれば。名號の德とし |
Z08_0177A06: | て。自然に妄念もやむぞと侍しは。か〻るゆへなるべ |
Z08_0177A07: | し。○きひとは。氣味の字なり。樂天の句に。林下ノ幽間ハ |
Z08_0177A08: | 氣味深シと有これなり。敬日上人云。かまへて念佛にき |
Z08_0177A09: | ひおぼえよ云云。世みな飮食すれども。よく味をしる |
Z08_0177A10: | ものまれなり。人おほく念佛すれども。氣味をおぼゆ |
Z08_0177A11: | る人なれならんかし。●(十八)この事もとより經釋に |
Z08_0177A12: | あれども。かく心をと▲むるものまれなり。實行の人。 |
Z08_0177A13: | さらに省察せよ。○巨益とは。おほきなる利益なり。 |
Z08_0177A14: | ○甘心とは。よく領納する義なり。左傳ニ云ク。請受テ而 |
Z08_0177A15: | 甘心ス。已上韻會ニ云ク。甘心ハ快意也。已上又この字。詩經 |
Z08_0177A16: | 伯兮篇にあるは。その義別なり。○是まで圓悟の釋の |
Z08_0177A17: | 和解なり。彼ノ序ニ云ク。自然ニ察スルニ二玄音之叩クコトヲ一レ心ヲ。 |
Z08_0177A18: | 聽ハ則塵累每ニ消シ。滯情融朗ナリ。非ンハ二天下之至妙ニ一。 |
Z08_0177A19: | 孰カ能ク與ラン二於此ニ一。已上●(十九)結勸なり。●(二〇)右 |
Z08_0177A20: | にまづ高聲をす〻め。爰にまた用捨をしめす。譏嫌の |
Z08_0177B01: | 二字を。そしりきらふと訓ず。高聲も時により。處に |
Z08_0177B02: | よりてそしりきらふ人あるべし。料簡すべしとなり。 |
Z08_0177B03: | た▲し不信の人のならひ。機嫌に事をよせて。やがて |
Z08_0177B04: | 懈怠になるためしあり。みづからいましむべきにや。 |
Z08_0177B05: | 黑谷上人云。譏嫌をしらず。高聲すべきにはあらず。 |
Z08_0177B06: | 地體はこゑにいたさんとおもふべきなり。已上記主禪 |
Z08_0177B07: | 師云。聲をたつるを本とすといへども。衆中などにて |
Z08_0177B08: | 譏嫌をしらず。となふれば。人は誹謗の罪をまし。わ |
Z08_0177B09: | れは虛假の心をおこす因緣ともならん。しからばこ |
Z08_0177B10: | ゑをたつるを本として。處にしたがひて。心に念じて |
Z08_0177B11: | も。かずをとるべきなり。用意問答。○三藏法數ニ云ク。止ル下世 |
Z08_0177B12: | 人之所ヲ中譏誚シ嫌疑スル上。是ヲ名ク二息世譏嫌戒ト一。已上和俗。 |
Z08_0177B13: | 譏嫌の譏を。機の字に通用す。古德本願讚ニ云ク。別願 |
Z08_0177B14: | 超世の名號は。他力不思議の力にて。口にまかせてと |
Z08_0177B15: | なふれば。聲に生死の罪きえぬ云云。●(二十一)これ |
Z08_0177B16: | 上卷の第五番にありし。いとわかき女性なり。いふ心 |
Z08_0177B17: | は。主人にしたがひ。世間にまじはる身は。遠慮あり |
Z08_0177B18: | て。つねに珠數をくることもならぬなり。されば何萬 |
Z08_0177B19: | 遍とてきはめたる日。所作の念佛を朝の間に申しを |
Z08_0177B20: | はりて。その後は珠數をもたず。心にて念佛し侍るが。 |