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Z0380 西要鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0177A01: 法師の事なり。この釋文は。かの師の念佛三昧詩序に
Z08_0177A02: あり。廣弘明集卅九。○統紀。大宋太宗。太平興國三年。
Z08_0177A03: シ玉フ圓悟大師凝寂之塔已上長水。煩惱業。
Z08_0177A04: 染汙繫縛。喩塵累已上●(十七)法然上人の御す
Z08_0177A05: すめに。妄念に目をかけず念佛すれば。名號の德とし
Z08_0177A06: て。自然に妄念もやむぞと侍しは。か〻るゆへなるべ
Z08_0177A07: し。○きひとは。氣味の字なり。樂天の句に。林下幽間
Z08_0177A08: 氣味深と有これなり。敬日上人云。かまへて念佛にき
Z08_0177A09: ひおぼえよ云云。世みな飮食すれども。よく味をしる
Z08_0177A10: ものまれなり。人おほく念佛すれども。氣味をおぼゆ
Z08_0177A11: る人なれならんかし。●(十八)この事もとより經釋に
Z08_0177A12: あれども。かく心をと▲むるものまれなり。實行の人。
Z08_0177A13: さらに省察せよ。○巨益とは。おほきなる利益なり。
Z08_0177A14: ○甘心とは。よく領納する義なり。左傳。請受
Z08_0177A15: 甘心已上韻會。甘心快意也。已上又この字。詩經
Z08_0177A16: 伯兮篇にあるは。その義別なり。○是まで圓悟の釋の
Z08_0177A17: 和解なり。彼。自然スルニ玄音之叩クコトヲ一レ
Z08_0177A18: 則塵累每。滯情融朗ナリ。非ンハ天下之至妙
Z08_0177A19: ラン於此已上●(十九)結勸なり。●(二〇)右
Z08_0177A20: にまづ高聲をす〻め。爰にまた用捨をしめす。譏嫌の
Z08_0177B01: 二字を。そしりきらふと訓ず。高聲も時により。處に
Z08_0177B02: よりてそしりきらふ人あるべし。料簡すべしとなり。
Z08_0177B03: た▲し不信の人のならひ。機嫌に事をよせて。やがて
Z08_0177B04: 懈怠になるためしあり。みづからいましむべきにや。
Z08_0177B05: 黑谷上人云。譏嫌をしらず。高聲すべきにはあらず。
Z08_0177B06: 地體はこゑにいたさんとおもふべきなり。已上記主禪
Z08_0177B07: 師云。聲をたつるを本とすといへども。衆中などにて
Z08_0177B08: 譏嫌をしらず。となふれば。人は誹謗の罪をまし。わ
Z08_0177B09: れは虛假の心をおこす因緣ともならん。しからばこ
Z08_0177B10: ゑをたつるを本として。處にしたがひて。心に念じて
Z08_0177B11: も。かずをとるべきなり。用意問答。○三藏法數。止
Z08_0177B12: 人之所譏誚嫌疑スル。是息世譏嫌戒已上和俗。
Z08_0177B13: 譏嫌の譏を。機の字に通用す。古德本願讚。別願
Z08_0177B14: 超世の名號は。他力不思議の力にて。口にまかせてと
Z08_0177B15: なふれば。聲に生死の罪きえぬ云云。●(二十一)これ
Z08_0177B16: 上卷の第五番にありし。いとわかき女性なり。いふ心
Z08_0177B17: は。主人にしたがひ。世間にまじはる身は。遠慮あり
Z08_0177B18: て。つねに珠數をくることもならぬなり。されば何萬
Z08_0177B19: 遍とてきはめたる日。所作の念佛を朝の間に申しを
Z08_0177B20: はりて。その後は珠數をもたず。心にて念佛し侍るが。

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