浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0175A01: | 念にして往生とげぬ。それより處のもの。かれにあや |
Z08_0175A02: | からんとて。南無阿彌陀佛をあらためて。えもみゑは |
Z08_0175A03: | うとのみとなへたりけり。これ大愚癡のあやまりな |
Z08_0175A04: | り。かの法師の心には。南無阿彌陀佛をとなへけれど |
Z08_0175A05: | も。やまひにて。ゑもみえほうとこそは。きこえたり |
Z08_0175A06: | けめ。いかでか。それをまなびて往生をとぐべきや。 |
Z08_0175A07: | 非因計因のあやまりなり。今の世にもさま〲。おか |
Z08_0175A08: | しき念佛の申やうありときこゆ。みなあやまりのい |
Z08_0175A09: | たり。愚癡のきはまりなり。是よりすゑの世には。い |
Z08_0175A10: | かなる事をか。となへ侍らん。あさましき事なり。く |
Z08_0175A11: | はしく了譽上人の。破邪顯正義といふものにあり見 |
Z08_0175A12: | るべし。●(十二)これ十德の中の第八なり。○こそり |
Z08_0175A13: | てとは。こと〲くといふ心なり。伊勢物語の抄に。 |
Z08_0175A14: | 擧レ世擧レ時などいふも。皆といふ心なりと有。萬葉には悉の字を |
Z08_0175A15: | 訓す。○ほいは本意なり。十萬の諸佛。みな念佛に依て |
Z08_0175A16: | 成佛し給へるゆへ。本意とおぼしめすなり。またこれ |
Z08_0175A17: | 不可思議功德の名號なれば也。○たとひ高聲ならず |
Z08_0175A18: | とも。念佛すれば。よろこび給ふゆへ。いよ〱といふ。 |
Z08_0175A19: | ○さればこそ舌をのべて。證人にもたち給ひたる事 |
Z08_0175A20: | なれ。念佛鏡ニ云ク。非下但釋迦ノ因テ二念佛ニ一。得玉フノミニ中成 |
Z08_0175B01: | 佛ヲ上。十方三世ノ諸佛。皆因二念佛三昧ニ一。當レ得玉フ二成佛ヲ一。 |
Z08_0175B02: | 故ニ月燈三昧經ニ云ク。十方三世。一切ノ過去未來及現 |
Z08_0175B03: | 在ノ佛。皆學テ二念佛ヲ一。速ニ證スト二無上菩提ヲ一。故ニ知ヌ。三 |
Z08_0175B04: | 世ノ諸佛。皆因テ二念佛ニ一。當レ得二成佛一。已上○た▲諸佛の |
Z08_0175B05: | 歡喜のみにあらず。諸神もまたよろこび給ふ。むかし |
Z08_0175B06: | ひえの山。楞嚴院般若谷の住侶。玉泉房の阿闍梨實秀 |
Z08_0175B07: | といふ人。日吉の念佛堂に參籠して。夜もすがら行道 |
Z08_0175B08: | し。一心稱名の行をいたし。時曉更にをよびて。聖眞 |
Z08_0175B09: | 子權現の神殿より。詠じいだし給ひける御歌。ちはや |
Z08_0175B10: | ふる玉のすだれをまきあげて。念佛のこゑをきくぞ |
Z08_0175B11: | うれしきと。まのあたりこれをきける人。兩三人なり。 |
Z08_0175B12: | 述懷抄にあり。又玉葉集神祇部に見ゆ。又德治三年の春の比。新熊野に本山 |
Z08_0175B13: | の衆どもうつりゐて。をこなひなどしけるに。ある人 |
Z08_0175B14: | 箏をひきて。手向たてまつらんとしける。かたはら |
Z08_0175B15: | に。高聲念佛を申人の侍けるを。いとはしく覺て。う |
Z08_0175B16: | ちまどろみ侍ける夢に見えける歌。夜もすがら佛の |
Z08_0175B17: | 御名をとなふれば。こと人よりもなつかしきかな。 |
Z08_0175B18: | 玉葉集第二十。又賀茂の明神は。勢多の尼公につげて。われは |
Z08_0175B19: | 彌陀の念佛をこのむとしめし給へり故事談にあり。くわしく女人往生傳にの |
Z08_0175B20: | せたり。又山王權現は。彌陀一敎。利物偏增の文を。每日 |