浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0136A01: | たつかたによりぬとあり。●(十一)さるべき男とは。 |
Z08_0136A02: | いかさま。た▲ならぬ人なるべしと。推していふな |
Z08_0136A03: | り。これ貴顯の大臣なるべし。○此いふ心は。つねに |
Z08_0136A04: | 上人の許にいたりて。敎化をもうけばやとはおもひ |
Z08_0136A05: | ながら。君につかへて位たかき身なれば。外へいづる |
Z08_0136A06: | 事も心にかなはず。其上道とをきゆへ。おもひたちが |
Z08_0136A07: | たし。又富貴の身なれば。公用もしげく。私の𨻶も入 |
Z08_0136A08: | て。久しく對面せねば。佛法の事もうとくなるとな |
Z08_0136A09: | り。○禪房とは。上人の庵室なり。○山ふかきすまひ |
Z08_0136A10: | は。その山居をいふ。○沙汰とは。とひ。こたへて。是 |
Z08_0136A11: | 非をえらぶ義なり。○李白ノ詩ニ云ク。永言題ス二禪房ニ一。已上 |
Z08_0136A12: | 𣵀槃經ニ云ク。在家ハ公私擾々タリ。何ノ暇有テカ修センレ道ヲ。已上 |
Z08_0136A13: | 世說ニ云ク。沙シレ之汰スレ之。已上類書纂要ニ云ク。如二洗テレ沙ヲ |
Z08_0136A14: | 而汰去スルカ一也。已上杜子美カ詩ニ云ク。沙二-汰ス江河ノ濁レルヲ一。 |
Z08_0136A15: | 集註ニ云ク。沙汰ハ。以テレ篩ヲ貯テレ沙ヲ。去テ二其ノ緇ヲ一而存スルヲ二 |
Z08_0136A16: | 其ノ白キ一曰レ汰ト。已上韻會ニ云ク。沙汰ハ擇フ也。已上●(一二) |
Z08_0136A17: | いふ心は。さすがに後世の事をば。わすれねども。浮世 |
Z08_0136A18: | にかかはりて。修行するに𨻶なし。これ大事に小事を |
Z08_0136A19: | かゆる。きたなき心なれば。聖人のをしはかりもはづ |
Z08_0136A20: | かしとなり。○出離とは。三界の生死を。いではなる〻 |
Z08_0136B01: | 事なり。大志とは。すなはち出離をねがふ心ざしなり。 |
Z08_0136B02: | 下の浮世の小節に對して。大といふなり。かならずしも菩提心にあら |
Z08_0136B03: | ず。○浮世とは。此世の定めなくかはるをいふ。○小節 |
Z08_0136B04: | とは。すこしき節義なり。つれ〲草に。一生は雜事 |
Z08_0136B05: | の小節にさへられて。むなしく〻れなんとあり。これ |
Z08_0136B06: | なり。○心きたなしとは。心うつくし。心きたなしとい |
Z08_0136B07: | ふ詞。源氏におほし。きたなしとは。黑の字なり。角總 |
Z08_0136B08: | に。心ぎたなきひじりご〻ろと有。古ニ云ク。浮世ハ皆幻ノ |
Z08_0136B09: | 境。已上任昉カ牋ニ云ク。高蹈ムハ二海隅ヲ一。匹夫ノ小節。已上● |
Z08_0136B10: | (一三)禮記に。苛政は虎よりもはげしといふ事あり。 |
Z08_0136B11: | 苛政をからきまつごと〻よむなり。國の法度の。こま |
Z08_0136B12: | かにしていら〱しきは。虎よりも民のおそろしが |
Z08_0136B13: | るものなり。此人みづから政務にあづかりて。下知を |
Z08_0136B14: | なす大臣なれば。心をやはらげ。民をなつけんために |
Z08_0136B15: | も。知識のをしへを聞たくおもふとなり。○いさめと |
Z08_0136B16: | は。奧義抄ニ云ク。諫をいさむとよむなり。をしゆるや |
Z08_0136B17: | うなる事なり。事をす〻むるにも。又と▲むるにも。 |
Z08_0136B18: | いさむるは有事なり。已上○うたてうとは。薄情の字 |
Z08_0136B19: | にて。うと〱しき心。又なさけなしといふがごと |
Z08_0136B20: | し。○ゆきてをしへぬとは。是も禮記にあるなり。弟 |