浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0119A01: | 曉霧ヲ一と有。榊ノ卷に。行かたをなかめもやらん此秋は。 |
Z08_0119A02: | あふさか山をきりなへたてそとあり。●(四八)ねん |
Z08_0119A03: | なきは。のこりおほき心なり。○まかでは。下向する |
Z08_0119A04: | 事なり。退出の二字なり。源氏に。たれ〱もまかで |
Z08_0119A05: | 給ひぬとあり。○はれにし。侍りにき。兩處のにの字は |
Z08_0119A06: | 助字なり。○是より下を流通分といへり。●(四九)抑 |
Z08_0119A07: | は。端をあらたむる詞なり。摠じていづれの行をなす |
Z08_0119A08: | にも。安心といふ事大切なり。いかに難行苦行すとも。 |
Z08_0119A09: | 心がひがめば。皆いたづら事なり。されば念佛の行者 |
Z08_0119A10: | も。安心が大事なり。その心づかひあしければ。いか |
Z08_0119A11: | に念佛しても。往生せぬぞとなり。○弘決ニ云ク。發心 |
Z08_0119A12: | 僻越スレハ。萬行徒ニ施ス。已上僻は乖僻。越は違越なり。● |
Z08_0119A13: | (五〇)邪正の名。不同なれども。是は念佛の宗義にを |
Z08_0119A14: | いて。偏邪の見あるを。あはせて邪師といふ。そのをし |
Z08_0119A15: | へを。邪敎といふなり。そも〱代々相傳の正義を。 |
Z08_0119A16: | 公直にまほりて。さらに私曲なきを正師といふ。そ |
Z08_0119A17: | の人のをしへは正敎なり。又天性。道心なく。いまだ |
Z08_0119A18: | 佛祖の御心をも察せず。私に經釋を見て。念佛の法 |
Z08_0119A19: | 門を。よこしまに覺たる人を邪師といふなり。そのを |
Z08_0119A20: | しへは大悲の佛願にそむき。因果の道理にたがひて。 |
Z08_0119B01: | 惡をゆるし。善をさへぎり。正意にそむきて。往生のさ |
Z08_0119B02: | はりとなるを邪敎といふなり。か〻る邪師を信じて。 |
Z08_0119B03: | その邪敎にまかすれば。甘露の念佛も。毒のごとくに |
Z08_0119B04: | て。佛の本願にはづれ。火車の來迎にあふべし。おそ |
Z08_0119B05: | ろし〱。古德ノ曰ク。欲ハレ修ント二無上菩提ヲ一。必須ク下參二-禮シ |
Z08_0119B06: | 明師ニ一。聽中從テ敎法ヲ上。若遇ハ二盲師ノ指示ニ一。要M(シテ)二超昇ヲ一反テ |
Z08_0119B07: | 沈墜セン矣。已上又曰ク。我レ今再ヒ說ク。九十六種ノ外道モ |
Z08_0119B08: | 俱ニ爲ニ二生死ノ一修行ス。只シ是不ルヿヲレ得二解脫ヲ一何ソヤ也。皆 |
Z08_0119B09: | 因ル下遇二-着盲師ニ一。將テ二正法ヲ一作シ二邪法ト一。佯ツテ二佛法ヲ一 |
Z08_0119B10: | 作スノ二魔法ト一說ニ上。以テレ此ヲ。錯賺者多シ矣。自ラ賺ルハ猶 |
Z08_0119B11: | 可ナリ。又賺ル二他人ヲ一。正ニ所謂ル一盲引ク二衆盲ヲ一。相牽テ |
Z08_0119B12: | 落ツト二火坑ニ一也。歸元直指。○弘決ニ云ク。邪人。邪敎。邪正相ヒ |
Z08_0119B13: | 濫ス。已上又云ク。邪人說ハ二正法ヲ一。正法モ成リ二邪法ト一。正人說ハ二 |
Z08_0119B14: | 邪法ヲ一。邪法モ成ル二正法ト一。已上むかしの邪師邪敎は。鎭 |
Z08_0119B15: | 西上人の。念佛名義集にあそばしたれば。ひらきみる |
Z08_0119B16: | べし。さいはい。かな文字にてよみやすきものなり。當 |
Z08_0119B17: | 世風聞の邪師邪敎は。前に粗しるすがごとし。俗間の |
Z08_0119B18: | 妄說は。塵をはらふがごとし。從てた▲せば從ておこ |
Z08_0119B19: | り。畢竟この抄を規矩として。これにたがへる新義は。 |
Z08_0119B20: | みな邪敎なりとしるべし。是はこれ正直の公論なり。 |