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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0115A01: し給ぶなれば。法然上人の智道のふかさ。おもひやら
Z08_0115A02: れて。ます〱たうとし。○是すなはち智者のしるし
Z08_0115A03: なり。道心者のしるしなり。かの淺智短綆の者は。深
Z08_0115A04: 義を聞ども。信ずる事あたはず。我執上慢の類は。を
Z08_0115A05: のれが才をあらはさんために。師說をもどきて。新義
Z08_0115A06: を立る也。用意問答。故上人の義趣を。たがへずい
Z08_0115A07: はる〻人。すくなくなりしかば。かへりていにしへの
Z08_0115A08: 義となづけて。皆すてたる世に成たること。大にいた
Z08_0115A09: ましき事なり。眞に故上人は。世もすこしあがり。見濁
Z08_0115A10: もかろし。人にとりて又道心もふかく。智惠もふかく
Z08_0115A11: して。みづから出離の道をなげき。ひさしく一代藏經
Z08_0115A12: をひらきたづね。三國往生の跡をか▲みて。終に善導
Z08_0115A13: の御釋に歸し給ひ。本願念佛。出離の最要なりと知て。
Z08_0115A14: 三心の釋文に眼をさらし。心を留て。料簡し給ひけん。
Z08_0115A15: さだめて和尙の御心にもかなひ。とをくは釋迦彌陀
Z08_0115A16: 二尊の。佛意にもたがはじとこそ。をしはかられたり。
Z08_0115A17: ○韓退之。古之聖人。其出ルヿ人也遠
Z08_0115A18: 矣。猶且而問焉。今之衆人。其ルヿ聖人
Z08_0115A19: 也亦遠矣。而M(シテ)ヿヲ。是。聖益々聖ニM(シテ)
Z08_0115A20: 益々愚ナリ。聖人之所-以爲一レ聖。愚人之所-以爲一レ愚。
Z08_0115B01: 皆出タル於此ヨリ乎。已上●(三一)勢觀房源智は。備中
Z08_0115B02: 守師盛朝臣の子。小松內府重盛公の孫なり。十三歲に
Z08_0115B03: して。上人の禪室に入て給仕する事十八年。くはしく
Z08_0115B04: 淨土の法門をならひ。吉水の遺跡を繼き給へる人な
Z08_0115B05: り。ナリ于繪詞傳第四十五卷○せうそことは。狀の事なり。源氏に
Z08_0115B06: もある詞なり。消息と書くなり。竪音通ずるゆへ。そこ
Z08_0115B07: といふなり。易。天地盈虛。與時消息已上禮記月令
Z08_0115B08: 。陽生スルヲ。陰死スルヲ已上これらの心
Z08_0115B09: にて。人の安否をたづぬる往來の書狀を。消息といふ
Z08_0115B10: なり。○かの具なる消息。相見參。以
Z08_0115B11: 月多候。于今存命。今一度見參。今生有覺
Z08_0115B12: 候。哀候者歟。抑々先師念佛之義。末流濁亂M(シテ)。義道
Z08_0115B13: ルヿ。不可說候。御邊一人。正義傳持之由。承
Z08_0115B14: 候也。返々本懷候。喜悅無極思候。必
Z08_0115B15: 本望。可引導値遇候者也。以便宜
Z08_0115B16: 愚札。御報何レノ拜見セン哉。他事短筆候。已上嘉禎
Z08_0115B17: 二年九月二十一日の狀なり○この後文永の頃。勢觀房の附弟蓮寂房
Z08_0115B18: と。鎌倉の良忠上人と。東山赤築地にて兩流を校合し
Z08_0115B19: 給へるに。ひとつとしてたがふ處なかりけるとなん。
Z08_0115B20: 委見黑谷御傳第四十六●(三二)白川の法蓮房信空は。左大辨行

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