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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0066A01: おもはずに心をきばみたるは。この世ざまにもにく
Z08_0066A02: き事なり。いたくわろからんにつけてこそ。いと▲た
Z08_0066A03: すけ給へとは思ふべけれ。●(九〇)これ三心の所詮
Z08_0066A04: は。たすけ玉への一念に不足なき證據なり。●(九一)
Z08_0066A05: 觀經の疏の文なり。玄義分。言南無者。卽是歸
Z08_0066A06: ナリ。亦是發願廻向之義ナリ。言阿彌陀佛者。卽是
Z08_0066A07: ナリ。以。必往生已上鎌倉宗要
Z08_0066A08: 。南無者歸命ナリ。歸命者助給ヘト云意也。大師十
Z08_0066A09: 十願十行ヘリ。所言願者。南無也。卽
Z08_0066A10: 三心。又曰。安心略說者。歸命二字是也。起
Z08_0066A11: 略說者。故一字是也。故先師定言。佛助給
Z08_0066A12: レハ。卽是歸命也。次起行略說一字者。順
Z08_0066A13: 彼佛願故之故字是也。已上又向阿上人の往生至要訣
Z08_0066A14: は。此釋を本としてしるし給へり。こ〻に相てらし
Z08_0066A15: てみるべし。●(九二)陸機。思風發スレハ
Z08_0066A16: 胸臆。言泉流於唇齒已上●(九三)玄義
Z08_0066A17: 南無願有行。口ルハ南無是行ナリ。心
Z08_0066A18: スルハ南無是願ナリ已上●(九四)とかく罪ふかき身の
Z08_0066A19: たのみには。たすけ給へとのみ念ずべきなり。かこつ
Z08_0066A20: とは。をしてたのみをかくる事なり。柏木の卷に神佛
Z08_0066B01: をも。かこたんかたなくと有。奧義抄に。夏の夜の月は
Z08_0066B02: ほどなくあけぬれば。あしたのまをぞかこちよせつ
Z08_0066B03: る。といふ歌を註して。月見るほどもなくあけぬれば。
Z08_0066B04: 朝の日の出ぬるほどを。夜とおもひなしてなを月を
Z08_0066B05: みるなり。かこつとは。朝を夜と。をしていひなすなり
Z08_0066B06: と有。●(九五)機のつたなきにつけても。心のよはき
Z08_0066B07: につけても。世にこしたる御慈悲なれば。これにても
Z08_0066B08: たすかるぞとおもひてたのもしきなり。又なくとは。
Z08_0066B09: 夕顏の卷の河海抄に。又なき事なりとあり。○是まで
Z08_0066B10: に三心の沙汰をはりぬ。是より下には。右三心につき
Z08_0066B11: て。邪義僻見のおこる事をいましむるなり。三段有。●
Z08_0066B12: (九六)圓信阿闌梨往生捷徑。洛陽に。ある念佛勸
Z08_0066B13: 進の講席にして。念佛の人は。罪をほしいま〻につく
Z08_0066B14: るべし。彌陀の名號にて。罪が滅したらぬぞと談議し
Z08_0066B15: たりしを。愚僧まのあたり聽問せしことなり。これ淨
Z08_0066B16: 土門の本願ぼこりあさましきことなり云云。●(九七)
Z08_0066B17: 上人の七ケ條起請文。つみをつくらじと。身を
Z08_0066B18: つ〻しみてよからんとするは。あみだ佛の願を。かろ
Z08_0066B19: しむるにてこそあれといふ。かやうのひが事。ゆめゆ
Z08_0066B20: め用べからず。いづれの處にか。阿彌陀は罪つくれと

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