浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0058A01: | 本源ヲ一。而悟二-入スヲ寂靜湛然ノ眞心ニ一。名テ曰二成佛ト一。方ニ今 |
Z08_0058A02: | 大師不レ立二此ノ道理ヲ一。偏ニ述テ二罪惡ヲ一。立シ玉ヘリ二他力ノ信ヲ一。 |
Z08_0058A03: | 此乃不M(シテ)レ改二遍計ノ執情ヲ一。出ル二生死ヲ一之故實也。已上● |
Z08_0058A04: | (五〇)聖道の人こそ初心のともがらも。身のほどを |
Z08_0058A05: | わすれて。智惠だてをばすれ。念佛の行者は。涯分をは |
Z08_0058A06: | かりて。佛をたのめとなり。○おこのけとは。身のほ |
Z08_0058A07: | どをわすれて。かしこだてするは。世にをかしき事ぞ |
Z08_0058A08: | といふ心なり。蓬生の卷に。人たがへしたらんは。をこ |
Z08_0058A09: | ならんと有。嗚呼と書くなり。世俗にてしれものなど |
Z08_0058A10: | いふ義なり。又心なく物もしらぬやうの心なり。をよ |
Z08_0058A11: | そ身のほどをしるといふは。七字の口傳なり。むかし |
Z08_0058A12: | 明禪法印。念佛をす〻められけるが。さかしだちたる |
Z08_0058A13: | 事きこしめしては。身のほどしらずの物おぼえずと |
Z08_0058A14: | 仰られけり。○期は心あてなり。袋草紙ニ云ク。孝善ハ |
Z08_0058A15: | 有ル二嗚呼ノ氣一人也。●(五一)さても。まことに。よから |
Z08_0058A16: | ぬわが身のありさまかな。●(五二)あけくれ心にお |
Z08_0058A17: | もひた〻むことは。みな三途の業なれば。後生の身の |
Z08_0058A18: | あだなり。きのふもけふも。名利のためにつかはれて。 |
Z08_0058A19: | 未來の支度をわすれたり。惡にはいさみ。善にはもの |
Z08_0058A20: | うし。是ほどあさましき身なれば。われながらもおぼ |
Z08_0058B01: | えあるべし。生死をはなるべき緣ありとは。えあらそ |
Z08_0058B02: | ふまじ。○經ニ云ク。一人一日ノ中ニ。八億四千ノ念アリ。念々ノ |
Z08_0058B03: | 常ノ所ハレ作ス。是皆三途ノ業ナリ。已上正法念經ニ云ク。心ハ是第 |
Z08_0058B04: | 一ノ怨ナリ。此ノ怨ヲ最爲レ惡ト。云云夫木抄。一遍上人心をは心のあ |
Z08_0058B05: | たと心得て。心のなきを心とはせよ。簡要錄ニ云ク。觀ルニ二 |
Z08_0058B06: | 世人ヲ一。爲スニハレ善ヲ心輕ク。爲スニハレ惡ヲ心重シ。何ヲ以テ得ンレ |
Z08_0058B07: | 生ヿヲ二淨土ニ一。請フ以二現事ヲ一驗シレ之ヲ。對スレハ二佛像ニ一。則不レ |
Z08_0058B08: | 如下接テ二大賓ニ一之恭謹ナルカ上。學フハ二經法ヲ一。則不レ如下求ムルノ二財 |
Z08_0058B09: | 利ヲ一之勤劬ニ上。毁レ他ヲ則氣麤ニM(シテ)言滑シ。讚ムM(トキ)ハレ彼ヲ則氣緩ク |
Z08_0058B10: | 語澀ル。或ハ以。我惡レ之ヲ則覆ヒレ善ヲ揚クレ惡ヲ。我レ好メハレ之ヲ |
Z08_0058B11: | 則掩ヒレ短ヲ美ムレ長ヲ。或ハ爲M(シテ)二積惡ヲ一怒リ二他ノ私ニ說クヿヲ一。或ハ |
Z08_0058B12: | 作M(シテ)二微善ヲ一恨ム二人ノ不ルヿヲ一レ知ラ。於テハ二惡事ニ一則陰カニ費セ𪜈二 |
Z08_0058B13: | 千金ヲ一。亦能ク緘ミレ口ヲ。施スM(トキ)ハ二善人ニ一。則方ニ營テモ二一食ヲ一。便 |
Z08_0058B14: | 自矜ルレ功ニ。凡ソ此ノ用心ノ。方ニ沈二惡趣ニ一。欲𪜈下以二少善ヲ一而 |
Z08_0058B15: | 求〓トレ生中淨土ニ上者。難乎哉。已上長明發心集ニ云ク。男女に愛 |
Z08_0058B16: | 著して命をすて。勝他名聞のために。肝膽をくだく樣 |
Z08_0058B17: | なんどは。末代とても熾盛ならずや。奕打といふもの |
Z08_0058B18: | ども。あつまりて雙六うつをきけば。夜もいねず。晝も |
Z08_0058B19: | 立ざる事もなく。七八日など片時もやすまず。その間 |
Z08_0058B20: | の身のくるしさ。心をくだくさま。たとへていはんか |