浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0041A01: | (六八)摠じては諸惡莫作は佛法の通誡なり。本願に |
Z08_0041A02: | ほこりて。つみをおそれぬは邪見なり。往生すべから |
Z08_0041A03: | ず。三代上人。ならびに此僻見をいたみ給へり。隨分に |
Z08_0041A04: | 惡をやめんとつ〻しめども。地體が凡夫なれば。罪惡 |
Z08_0041A05: | はと▲まる事なし。彌陀の本願は。是非なく此人をた |
Z08_0041A06: | すけ給ふと心得べし。○されば。をよばぬまでも。心の |
Z08_0041A07: | 放逸をあらためんとし。身の威儀をもと〻のへんと |
Z08_0041A08: | する人は。まことに正見の善人なれば。佛の御心にも |
Z08_0041A09: | かなひ。祖師の御語にも准ずべし。傳聞。このごろ念 |
Z08_0041A10: | 佛者のいはく。念佛門には戒行なし。威儀をと〻のふ |
Z08_0041A11: | るは。聲聞の行なり。身をつ〻しみてよからんとする |
Z08_0041A12: | は。いまだ本願に乘ぜぬ初心のものなり。罪になづむ |
Z08_0041A13: | は。安心未決定の人なり。身をかへりみるは。弘誓の |
Z08_0041A14: | 舟にのらぬゆへなりと云云。あ〻末代なるかな。僧は |
Z08_0041A15: | 上慢にして憶說をたくみにし。俗は放逸にして簡便 |
Z08_0041A16: | なるにしたがふ。正人正敎は。ふるき事とて信ずるに |
Z08_0041A17: | 人なし。邪師邪敎は。めづらしければ。きそふてこれ |
Z08_0041A18: | をならふ。いはゆる下俚巴人は和するものおほく。陽 |
Z08_0041A19: | 春白雪は屬するものすくなし。よく〱僉議すべき |
Z08_0041A20: | 事なり。●(六九)是は記主上人の御語に依て書給へ |
Z08_0041B01: | り。此四句ことにたくみなり。第二第四の句は。因果 |
Z08_0041B02: | を信ずる樣なり。第一第三の句は。本願を信ずる樣な |
Z08_0041B03: | り。心傳集云。罪人は往生すれども。罪業は往生のさ |
Z08_0041B04: | はりなり。ほとけ大悲の本願なるゆへに。往生不定と |
Z08_0041B05: | いふはおそろしき事なり。さりながら。さはりとなら |
Z08_0041B06: | ばこはき事なり。淨土の安心は。是ほどまでいふが手 |
Z08_0041B07: | なり。そのゆへは。本願を手づよくおもへば。身のいた |
Z08_0041B08: | づらになるをしらず。罪業をつよくおもひあはせて |
Z08_0041B09: | は。本願の德義をうしなふなり。已上●(七〇)記主上人ノ |
Z08_0041B10: | 云ク。罪ハ是レ往生ノ障ナリ。最モ可レ止レ之ヲ。然𪜈不レ可レ思二罪人 |
Z08_0041B11: | 不トハ二往生セ一。懺悔念佛ノ力滅スルカレ罪ヲ故ニ。抑見二世人ヲ一。各 |
Z08_0041B12: | 墮M(シテ)二偏見ニ一。難レ叶ヒ二佛意ニ一。悲カナ哉。信スル二因果ヲ一者ハ。他力 |
Z08_0041B13: | 之信弱ク。信スル二本願ヲ一者ハ。因果ノ理リ緩シ。庶幾。專ラ信シ二本 |
Z08_0041B14: | 願ヲ一。兼テ信セヨ二因果ヲ一。卽叶テ二佛意ニ可レ遂二往生ヲ一者也。已上黑 |
Z08_0041B15: | 谷上人ノ云ク。譬ハ如シ下人ノ親ノ哀二諸子ヲ一。其ノ中ニ有二善キ子一。 |
Z08_0041B16: | 有二惡キ子モ一俱ニ雖レ成スト二慈悲ヲ一。行スルレ惡ヲ子ヲハ怒シレ目ヲ捧テレ |
Z08_0041B17: | 杖ヲ誡ルカ一。惡人ヲモ不ルレ捨本願ト知ンニ付テモ。彌々佛ノ知見ヲハ。 |
Z08_0041B18: | 可クレ耻ツ可レ悲ム。謂父母有ルトテ二慈悲一而。父母ノ前ニテ行セシニレ |
Z08_0041B19: | 惡ヲ。其ノ父母可ヲヤレ悅フ乎。乍ラレ歎キ不レ捨。乍ラレ哀惡ム也。 |
Z08_0041B20: | 佛モ亦如レ是。出二于十二箇條問答一。●(七一)以上はたとへ。●(七二) |