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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0041A01: (六八)摠じては諸惡莫作は佛法の通誡なり。本願に
Z08_0041A02: ほこりて。つみをおそれぬは邪見なり。往生すべから
Z08_0041A03: ず。三代上人。ならびに此僻見をいたみ給へり。隨分に
Z08_0041A04: 惡をやめんとつ〻しめども。地體が凡夫なれば。罪惡
Z08_0041A05: はと▲まる事なし。彌陀の本願は。是非なく此人をた
Z08_0041A06: すけ給ふと心得べし。○されば。をよばぬまでも。心の
Z08_0041A07: 放逸をあらためんとし。身の威儀をもと〻のへんと
Z08_0041A08: する人は。まことに正見の善人なれば。佛の御心にも
Z08_0041A09: かなひ。祖師の御語にも准ずべし。傳聞。このごろ念
Z08_0041A10: 佛者のいはく。念佛門には戒行なし。威儀をと〻のふ
Z08_0041A11: るは。聲聞の行なり。身をつ〻しみてよからんとする
Z08_0041A12: は。いまだ本願に乘ぜぬ初心のものなり。罪になづむ
Z08_0041A13: は。安心未決定の人なり。身をかへりみるは。弘誓の
Z08_0041A14: 舟にのらぬゆへなりと云云。あ〻末代なるかな。僧は
Z08_0041A15: 上慢にして憶說をたくみにし。俗は放逸にして簡便
Z08_0041A16: なるにしたがふ。正人正敎は。ふるき事とて信ずるに
Z08_0041A17: 人なし。邪師邪敎は。めづらしければ。きそふてこれ
Z08_0041A18: をならふ。いはゆる下俚巴人は和するものおほく。陽
Z08_0041A19: 春白雪は屬するものすくなし。よく〱僉議すべき
Z08_0041A20: 事なり。●(六九)是は記主上人の御語に依て書給へ
Z08_0041B01: り。此四句ことにたくみなり。第二第四の句は。因果
Z08_0041B02: を信ずる樣なり。第一第三の句は。本願を信ずる樣な
Z08_0041B03: り。心傳集云。罪人は往生すれども。罪業は往生のさ
Z08_0041B04: はりなり。ほとけ大悲の本願なるゆへに。往生不定と
Z08_0041B05: いふはおそろしき事なり。さりながら。さはりとなら
Z08_0041B06: ばこはき事なり。淨土の安心は。是ほどまでいふが手
Z08_0041B07: なり。そのゆへは。本願を手づよくおもへば。身のいた
Z08_0041B08: づらになるをしらず。罪業をつよくおもひあはせて
Z08_0041B09: は。本願の德義をうしなふなり。已上●(七〇)記主上人
Z08_0041B10: 。罪往生ナリ。最。然𪜈罪人
Z08_0041B11: トハ往生。懺悔念佛力滅スルカ。抑見世人。各
Z08_0041B12: M(シテ)偏見。難佛意。悲カナ哉。信スル因果。他力
Z08_0041B13: 之信弱。信スル本願。因果。庶幾。專
Z08_0041B14: 。兼セヨ因果。卽叶佛意往生者也。已上
Z08_0041B15: 谷上人。譬諸子。其
Z08_0041B16: スト慈悲。行スルヲハ
Z08_0041B17: ルカ。惡人ヲモ捨本願ンニテモ。彌々佛知見ヲハ
Z08_0041B18: 。謂父母有ルトテ慈悲而。父母ニテセシニ
Z08_0041B19: 。其父母可ヲヤ乎。乍捨。乍哀惡也。
Z08_0041B20: 亦如是。于十二箇條問答●(七一)以上はたとへ。●(七二)

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