浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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Z08_0031A01: | ざか(遠)り。心を淨域にすま(栖)しめん事は。ひたす |
Z08_0031A02: | ら他力本願の御恩ぞかし。(九二)多生曠劫にも。いかで |
Z08_0031A03: | か報じたてまつらん。(九三)誓到彌陀安養界。還來穢 |
Z08_0031A04: | 國度人天。願我慈悲無際限。長時長劫報慈恩。(九四)さ |
Z08_0031A05: | らではいか▲と。うちくどか(口說)れたるけしき。 |
Z08_0031A06: | (氣色)いかにつれ(强面)なからん心も。げにとは。さす |
Z08_0031A07: | がおもはれぬべ(可)うこそ。(九五) |
Z08_0031A08: | 諺註 |
Z08_0031A09: | ●(一)前には摠じて念佛往生のゆへを問答す。是は別 |
Z08_0031A10: | して十方衆生の句に付て論ずるなり。修行者すでに |
Z08_0031A11: | 僧の身なり。出家の破戒はことに罪もおもかるべし。 |
Z08_0031A12: | その上妄念いまだやまず。此分にては往生いか▲と |
Z08_0031A13: | うたがふなり。●(二)是はまず摠して信受することを |
Z08_0031A14: | いふなり。○のたまはせつればとは。宣の字にて。仰ら |
Z08_0031A15: | れたればといふ義なり。○まめやかとは。若紫の河海 |
Z08_0031A16: | 抄に。眞實なり。まことしきなりと有り。遊仙窟には。眞 |
Z08_0031A17: | 成の字。正首の字を點ぜり。●(三)うたがふに三の故 |
Z08_0031B01: | あり。煩惱。惡業。妄念なり。●(四)黑衣とは。摠じて出 |
Z08_0031B02: | 家をいふ。又遁世の人を黑衣の身といふ。白俗とは。 |
Z08_0031B03: | 在家をいふ。世俗白衣なり。○六道講式ニ云ク。我等適 |
Z08_0031B04: | 剃𪜈レ頭ヲ不レ剃レ心ヲ。染𪜈レ衣ヲ不レ染レ心ヲ。常〓念M(シテ)二世俗ノ |
Z08_0031B05: | 事ヲ一。假ル二名ヲ阿蘭若ニ一。破戒之過ハ。還テ越タリ二白衣ニ一。可レ耻 |
Z08_0031B06: | 可レ悲。已上大藏一覽ニ云ク。身ニ被𪜈二緇服ヲ一。心ハ猶俗ナリ。已上 |
Z08_0031B07: | 西行云ク。淺猿しや。世を捨つといへども。心はこれを |
Z08_0031B08: | 捨ず。袂は染ぬれども。心はそまぬ物にして。身心かた |
Z08_0031B09: | ちがへにて。萬行いたづらになしはてぬる事よ。●(五) |
Z08_0031B10: | あやまりてとは。本意にそむく義なり。世をわたらん |
Z08_0031B11: | ために。人をたぶらかし。まどはすを誑惑といふ。○沙 |
Z08_0031B12: | 門とは。僧の事也。是は梵語なり。此には勤息といふ。○名聞とは。世の外 |
Z08_0031B13: | 聞をかざる事なり。○利養とは。おのが財利をむさぼ |
Z08_0031B14: | る事なり。○無刀の大賊とは。刀をもたぬばかりの大 |
Z08_0031B15: | ぬすびとなり。○劫とは。あらはにうばひとるをいふ。 |
Z08_0031B16: | ○盜とは。ひそかにかくしてとるをいふ。○是は南山 |
Z08_0031B17: | の所引なり。淨心誡觀ニ曰ク。經ニ云ク。此ハ是レ無刀ノ大賊也。 |
Z08_0031B18: | 罪アリ二於劫盜ヨリモ一。已上。一本ニ盜ノ字ヲ作レ掠ニ點も小異あり。允堪ノ發眞鈔ニ云ク。 |
Z08_0031B19: | 無刀大賊ト者。雖レ無ト二刀杖一。而モ潛二掠ス彼利ヲ一。非M(シテ)レ賊ニ是レ |
Z08_0031B20: | 何ソ。律ノ中。凡ソ損ル二五錢ヲ一卽大盜ナリ。故ニ言二大賊ト一。上已 |