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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0031A01: ざか(遠)り。心を淨域にすま(栖)しめん事は。ひたす
Z08_0031A02: ら他力本願の御恩ぞかし。(九二)多生曠劫にも。いかで
Z08_0031A03: か報じたてまつらん。(九三)誓到彌陀安養界。還來穢
Z08_0031A04: 國度人天。願我慈悲無際限。長時長劫報慈恩。(九四)さ
Z08_0031A05: らではいか▲と。うちくどか(口說)れたるけしき。
Z08_0031A06: (氣色)いかにつれ(强面)なからん心も。げにとは。さす
Z08_0031A07: がおもはれぬべ(可)うこそ。(九五)
Z08_0031A08: 諺註
Z08_0031A09: ●(一)前には摠じて念佛往生のゆへを問答す。是は別
Z08_0031A10: して十方衆生の句に付て論ずるなり。修行者すでに
Z08_0031A11: 僧の身なり。出家の破戒はことに罪もおもかるべし。
Z08_0031A12: その上妄念いまだやまず。此分にては往生いか▲と
Z08_0031A13: うたがふなり。●(二)是はまず摠して信受することを
Z08_0031A14: いふなり。○のたまはせつればとは。宣の字にて。仰ら
Z08_0031A15: れたればといふ義なり。○まめやかとは。若紫の河海
Z08_0031A16: 抄に。眞實なり。まことしきなりと有り。遊仙窟には。眞
Z08_0031A17: 成の字。正首の字を點ぜり。●(三)うたがふに三の故
Z08_0031B01: あり。煩惱。惡業。妄念なり。●(四)黑衣とは。摠じて出
Z08_0031B02: 家をいふ。又遁世の人を黑衣の身といふ。白俗とは。
Z08_0031B03: 在家をいふ。世俗白衣なり。○六道講式。我等適
Z08_0031B04: 𪜈。染𪜈。常M(シテ)世俗
Z08_0031B05: 。假阿蘭若。破戒之過。還タリ白衣。可
Z08_0031B06: 悲。已上大藏一覽。身𪜈緇服。心猶俗ナリ已上
Z08_0031B07: 西行云。淺猿しや。世を捨つといへども。心はこれを
Z08_0031B08: 捨ず。袂は染ぬれども。心はそまぬ物にして。身心かた
Z08_0031B09: ちがへにて。萬行いたづらになしはてぬる事よ。●(五)
Z08_0031B10: あやまりてとは。本意にそむく義なり。世をわたらん
Z08_0031B11: ために。人をたぶらかし。まどはすを誑惑といふ。○沙
Z08_0031B12: 門とは。僧の事也。是は梵語なり。此には勤息といふ。○名聞とは。世の外
Z08_0031B13: 聞をかざる事なり。○利養とは。おのが財利をむさぼ
Z08_0031B14: る事なり。○無刀の大賊とは。刀をもたぬばかりの大
Z08_0031B15: ぬすびとなり。○劫とは。あらはにうばひとるをいふ。
Z08_0031B16: ○盜とは。ひそかにかくしてとるをいふ。○是は南山
Z08_0031B17: の所引なり。淨心誡觀。經。此無刀大賊
Z08_0031B18: アリ於劫盜ヨリモ已上。一本點も小異あり。允堪發眞鈔
Z08_0031B19: 無刀大賊者。雖刀杖。而彼利。非M(シテ)
Z08_0031B20: 。律中。凡五錢卽大盜ナリ。故大賊上已

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