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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0029A01: 往生にてぞあるべきに。(四五)いまこの釋の中に。不
Z08_0029A02: 簡多聞持淨戒。不簡破戒罪根深とて。た▲おなじ詞に
Z08_0029A03: いひすてられたるこそ。ことにみ〻にたちてたうと
Z08_0029A04: く。本願の人によらぬほども。かたじけなくおぼえて。
Z08_0029A05: よろこびのなみだもふかくにこぼれにけれ。(四六)又
Z08_0029A06: 法然上人の未詳所出。鍛冶(カジ)カヂタクミ)往生。番匠(ヒダタクミ)往
Z08_0029A07: 生とのたまひけんも。た▲もとの身がらをあらため
Z08_0029A08: ずとも。念佛せば往生すべしといふ心なるべし。(四七)
Z08_0029A09: かくてぞげに。(四八)本願もひし(必至)とわが物に
Z08_0029A10: おえぼて。彌陀も諸佛にこえてたのもしかめるを。
Z08_0029A11: (四九)人ごとに女はあま(尼)にもなり。おとこは(ホウ)()
Z08_0029A12: にもなりて。在家のちり(塵)にもけが(穢)されず。妄
Z08_0029A13: 念のにごりをも。すましてぞ。佛の御こ〻ろには。か
Z08_0029A14: なはんずるとおもへるほどに。(五〇)いまのわが身
Z08_0029A15: は。本願のよそ(餘所)なる物になりぬ。(五一)かくて
Z08_0029A16: は。(五二)あたら(可惜)日本紀。念佛もいたづら物なる
Z08_0029A17: 心地にて。佛もうと〱とおぼゆれば。(五三)人能念
Z08_0029A18: 佛々還念のしたしきおもひもなく。(五四)おのれと。
Z08_0029A19: とお(を)ざかるこ〻ろのへだて(隔)に。(五五)籠々
Z08_0029A20: 常在行人前のちかきたのみもなし。(五六)か〻る念佛
Z08_0029B01: にては。つみもきえ(消)がたく。ほとけのむかへ(迎)
Z08_0029B02: も。いか▲あらん。(五七)されば終時從佛坐金蓮のほ
Z08_0029B03: い(本意)も。ながくたがひぬべし。(五八)あさましか
Z08_0029B04: もべき事ぞかし。(五九)さしも佛のかたよりは。いか
Z08_0029B05: さま(何樣)ならんをも。すてじとおぼしめされたる
Z08_0029B06: を。こなたより。か〻るつみある身なればと。なま(生)
Z08_0029B07: ざか(賢)しき心のおに(鬼)こそ。中々身のあだ(怨)に
Z08_0029B08: ては侍れ。(六〇)た▲ひたすらにたのましかば。よろづ
Z08_0029B09: のとがはゆるし給ひなんかし。(六一)おもはずに。心を
Z08_0029B10: き(置)ばみたるは。この世さまにくき事なり。(六二)
Z08_0029B11: いた(甚)くわろからんにつけてこそ。いと▲(彌)た
Z08_0029B12: すけ給へとは思ふべけれ。(六三)されば永觀も。(六四)
Z08_0029B13: 我身もし持戒精進ならば。なんぞ。かならずしも彌陀
Z08_0029B14: をのみたのまむ。破戒懈怠の身なれば。十念往生の願
Z08_0029B15: をたのむなりとの給へり。(六五)そのほかの人は。まし
Z08_0029B16: てさこそたのみ侍るべけれ。(六六)た▲し。か〻れば
Z08_0029B17: とて(六七)本願をたのまん人は。とがをあらためず。
Z08_0029B18: つみをおそれずといふにはあらず。(六八)罪人は往生
Z08_0029B19: すれども。罪業は往生のさはりなり。身をばひげ(卑下)
Z08_0029B20: すべからず。つみをばおそるべし。(六九)このいはれ

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