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Z0370 帰命本願鈔諺註 湛澄 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
Z08_0028A01: 惟につくし。身を兆載の修行にくだきて。た(建)て給
Z08_0028A02: へるちか(誓)ひ。成(成就)じ給へる願ぞかしな。(一六)
Z08_0028A03: それをば。たが身のうへとかおもはる〻。しか(★)し
Z08_0028A04: ながら。我らがためにこそ侍るめれ。(一七)か〻るい
Z08_0028A05: たづら(徒)ものなればとて。諸佛はうらめしくすて給
Z08_0028A06: ひにしを。われだにもとてかたじけなく。彌陀ひとり
Z08_0028A07: あはれみ給ふゆへにこそ。我建超世願。必至無上道。此
Z08_0028A08: 願不滿足。誓不成正覺とはの(宣)給ひしか。(一八)され
Z08_0028A09: ば本願には。わく(別)所なく。總じて十方衆生とこそ
Z08_0028A10: と(說)きたれ。(一九)いつか(何時)は善人をのみとい
Z08_0028A11: ひたるや。そのうへは。た▲まづ善人は善人ながら。惡
Z08_0028A12: 人は惡人ながら。ありのま〻にて。おさ(攝)まるべし
Z08_0028A13: とこそ心えられたれ。(二〇)つたな(拙)かりし心のも
Z08_0028A14: ちやう(持樣)。わろかりし(惡業)身のふるま(擧止)ひを。
Z08_0028A15: あらためてのち。かなふべくは。善人をのみすくふ本
Z08_0028A16: 願とぞ申すべき。さではなにをもて(以)か。世にこ(超)
Z08_0028A17: えたるちかひのしるしとせん。(二一)た▲(唯)し。(二二)
Z08_0028A18: ゑら(簡)ぶところは。(二三)わが國にむまれんと思
Z08_0028A19: て。(二四)名號をとなへんものをと侍れば。(二五)往
Z08_0028A20: 生のねがはしからざらんこ〻ろと。念佛におもむか
Z08_0028B01: ざらん心とをぞ。いかほどもあらためずしては叶ま
Z08_0028B02: じかめる。(二六)このゆへに。(二七)法照禪師は。(二八)
Z08_0028B03: 彼佛因中立弘誓。(二九)聞名念我總來迎。(三〇)不簡
Z08_0028B04: 貧窮將富貴。(三一)不簡下智與高才。(三二)不簡多聞
Z08_0028B05: 持淨戒。(三三)不簡破戒罪根深。(三四)但使廻心多念
Z08_0028B06: 佛。(三五)能令瓦礫變成金(三六)と釋して。(三七)持
Z08_0028B07: 戒も破戒も。とてもかくても。機のよしあしはさらに
Z08_0028B08: もいはず。(三八)た▲往生のこ〻ろざしにて。心南無
Z08_0028B09: 阿彌陀佛と申さんのみ。行本願にはかなふべしと
Z08_0028B10: いへり。(三九)(ソモソモ)(四〇)三世の諸佛。いづれか多聞淨
Z08_0028B11: 戒をほめ。破戒罪根をすて給はざるや(四一)われら
Z08_0028B12: 無始よりこのかた。六道の(ヒン)()にまよひて。福智の珍
Z08_0028B13: 財をうしなへる事は。(四二)諸佛こぞ(擧)りて。惡を
Z08_0028B14: やめ。つみをと▲めよとのみ。いましめ給ひし。をき
Z08_0028B15: て(掟)にかなはざりしによりて。(四三)かなしく慈悲
Z08_0028B16: の父母にすてられて。あぢきなく(無情)流轉のみな
Z08_0028B17: し子(孤)となりにしゆへなり。(四四)しかるを彌
Z08_0028B18: 陀の本願にも。又多聞淨戒をえらびと(選取)り。破戒
Z08_0028B19: 罪根を。えイゑらびすてたまふ事ならましかば。い
Z08_0028B20: か▲はせん。か〻るつたなき身には。おもひたえたる

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