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J3040 筑後善導寺誌要 善導寺編 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0444A01: 歷世住持略傳
J20_0444A02: 第二世記主禪師 諱は良忠然阿と號す姓は藤原氏
J20_0444A03: 石州三隅庄の人なり父は圓尊母は伴氏正治元年七月
J20_0444A04: 廿七日を以て生る幼にして卓犖夙に欣求淨土の意あ
J20_0444A05: り十三歳雲州鰐淵寺に入り月珠房信〓に依る聰敏俊
J20_0444A06: 異一時の中に能く八十行を諳誦す十六歳にして出家
J20_0444A07: し其の年十一月戒を受く爾後專ら法華經を誦し又不
J20_0444A08: 動尊に歸し大に行修を累ぬ十八歳の時偶偶大聖竹林
J20_0444A09: 寺記を讀み中に法照禪師文殊普賢の二聖者に問ふて
J20_0444A10: 言はく末法の凡夫聖を去る時遙に知識轉た劣に垢障
J20_0444A11: 尤も深し未審大聖何の法門を修して易く成就を得た
J20_0444A12: るや唯願くは大聖我が爲に解説せよと文殊師利言は
J20_0444A13: く汝已に念佛す今正しく是の時なり諸の修行門中念
J20_0444A14: 佛に過たるはなし西方に阿彌陀佛あり彼の佛の願力
J20_0444A15: 不可思議なり命終れば决定して彼の國に往生せんと
J20_0444A16: 云ふに至りて交交感涙を流し以爲へらく大智薩埵釋
J20_0444A17: 尊祖師の指敎豈に誤らんや我れ盍ぞ歸せざらんやと
J20_0444B18: 因て文殊を發心の祖として忽ち聖道を捨て法照を累
J20_0444B19: 代の師として速に淨土に歸し即ち諸行を閣きて日に
J20_0444B20: 念佛一萬を唱ふ其より以降倶舍唯識三論眞言華嚴天
J20_0444B21: 台律禪等の諸宗に亙りて各各其の奧義を探る蓋し出
J20_0444B22: 離を往生に期すと雖も受學を顯密に馳せんが爲なり
J20_0444B23: 貞永元年三月居を石州多陀寺に卜し不斷念佛を始む
J20_0444B24: 時に生佛法師なる人あり來り告げて曰はく善導寺聖
J20_0444B25: 光上人は法然上人の付弟淨土一宗の正統智行兼備に
J20_0444B26: して道俗皆歸す就中如來の印可あり予曾て思念すら
J20_0444B27: く法然上人の遺弟世に在りて法を弘むるもの聖光隆
J20_0444B28: 寬善慧勢觀等あり而も龍蛇辨じ難く水乳迷ひ易し乃
J20_0444B29: ち彌陀の證判を蒙むりて濁世の導師を知らんと欲し
J20_0444B30: 隆寬聖光善慧の三人の名字を書し深く懷中に納めて
J20_0444B31: 善光寺に赴き漸く榊宿に到る當夜夢中に異僧あり告
J20_0444B32: げて曰はく汝の言ふ所我れ今敎示せん鎭西の聖光房
J20_0444B33: 能く往生の道を知る彼の僧の許に往くべしと予聖告
J20_0444B34: を蒙り感涙止め難く即ち報恩の爲に一光三尊の靈場

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