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J3000 江戸崎大念寺志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J20_0299A01: は此節は双なき御歸依僧となり却て淨土の一門は天
J20_0299A02: 台より出し事にて末宗也佛法の大海は天台第一なり
J20_0299A03: なとと述られし故國師大に立腹あられ我推擧を以
J20_0299A04: 御目見おりし恩分を忘れ其宗の再興を本意とせられ
J20_0299A05: んとて我宗をそしらるる事實意を失ひ佛法同一味の
J20_0299A06: 掟にもれたりにくき惡工の法印めと時時兩上樣へ言
J20_0299A07: 上せられけれは今は中中國師より御歸依深くなり大
J20_0299A08: 僧正に任しけれは却て妬心の樣に思召れ御前の不首
J20_0299A09: 尾を招かるる如く成行しかは今は何事も因縁なり此
J20_0299A10: 末萬一彼僧が事言上せは我宗の興廢にもかかるべし
J20_0299A11: と無念の胸をさすられ其後は踈遠と成し計にて御前
J20_0299A12: にて對面の外は言葉を掛られし事もなし依て呑龍存
J20_0299A13: 虎了的源榮聞諦まても立腹し慶岩を惡言せし事も度
J20_0299A14: 度也慶岩はさすが舊友故にや相替らす大僧正と入魂
J20_0299A15: 故此事密に噂もあられしと相見え彼方よりも疎遠と
J20_0299A16: 成けれは今は執敵のことく成行我宗のためいよいよ
J20_0299A17: よろしからずかの僧は天下無双の智者なれは國師の
J20_0299B18: ことき淸廉質直の身にては法戰は勿論なり對論應答
J20_0299B19: も及ぶべからざれは一宗の小輩に至るまて恨悔すと
J20_0299B20: 云事なし若初より吹擧なくはかの僧御前へ出る事あ
J20_0299B21: るましくたとへ召し出されしとても中よく水魚にあ
J20_0299B22: らは加樣に我宗を讎敵の如くも思はれましく少しは
J20_0299B23: 義理をも思はれなは物事無事に成り行くべきを末世
J20_0299B24: の形勢とは申ながら淺間しかりしことどもなりさて
J20_0299B25: 慶岩は大衆一同ににくみ國師も師資ながら此一義に
J20_0299B26: てはうとませ給へは自分も自然と江戸へ出府も遠く
J20_0299B27: 成行きしに此比身まかり往生をとけし旨門弟慶祐本
J20_0299B28: 成出府し遺物回向料など國師其外へ捧ぐ此時門弟共
J20_0299B29: 師の在世中南光坊よりの書狀數通を持參
J20_0299B30: 一筆の芳札顯意懷候先以國師樣貴長老御無障精修
J20_0299B31: 梵行の旨欽悅不斜候今度以兩公之御執成來□□
J20_0299B32: 將軍樣 御目見可被成下趣預爲知千萬之光適實以
J20_0299B33: 優曇鉢華浮木逢龜曠劫之大慶に覺候然る上は 御
J20_0299B34: 前の首尾其砌之執達萬般仰兩公之御取成候爲御禮

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