浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J20_0298A01: | 聞諦聞書又名十八公記云當時大御所樣御意に叶候天海大僧 |
J20_0298A02: | 正近年國師と御中不宜寒暑年頭さへ不被相越不實千 |
J20_0298A03: | 萬の事なり慶長二年江戸崎大念寺を源譽慶岩長老開 |
J20_0298A04: | 基建立より同所不動院に住せられしかは入魂相重り |
J20_0298A05: | 毎日の樣に被相越佛法の淺深聖淨の大綱なと無隔意 |
J20_0298A06: | 相議せられ國師へ對面致され度むね度度慶岩へ賴ま |
J20_0298A07: | れ候へば兩人共一城主の子息と云武門より出眞俗の |
J20_0298A08: | 龍象故岩公出府の度毎に國師へ相咄され取持骨折に |
J20_0298A09: | 付終に國師對面を遂られし處夫を縁にいたし毎年四 |
J20_0298A10: | 五度つつ江戸へ出土産物叮嚀其上平伏入魂常人より |
J20_0298A11: | 多く致され公方樣へ御目見にても出來候はは此上も |
J20_0298A12: | なき大恩なりと某共迄へも莫大の進物を送り田舍産 |
J20_0298A13: | 物を持參せられけるもとより拔群の法將なれども吹 |
J20_0298A14: | 擧なくしては公方樣へ御目見の筋なき故に國師をは |
J20_0298A15: | 師匠の如く仰かれ筑波山の眞言僧と水戸菊蓮寺の公 |
J20_0298A16: | 事の時も内證の事とも國師へ談せられし程故岩公も |
J20_0298A17: | 此人は我宗の扶護第一なること吉水上人の時覺聖に |
J20_0298B18: | 法印ありしことくと宗門の事とも迄内外となく相咄 |
J20_0298B19: | され兩上樣の御心迄うすうす御噂致され公儀勤方其 |
J20_0298B20: | 外武邊の事共平生武家方と談話の趣其外微細に噂の |
J20_0298B21: | 度毎にひたすら御目見の事取持を願はれし故終に兩 |
J20_0298B22: | 上樣へ言上し天海法印は天台一宗の法將天下無双の |
J20_0298B23: | 大德也と奏達度度に及ひ其上彼德業を百萬倍に言上 |
J20_0298B24: | せられしかは當大御所樣扨は其者召出すべし此旨申 |
J20_0298B25: | 傳置く可しされともいはれなく登城申付んより彼宗 |
J20_0298B26: | の寺院を取立其上住職申付る時我前へも呼出し可申 |
J20_0298B27: | 也との御事なりしに程なく關ケ原の御合戰初り佛法 |
J20_0298B28: | の事なとは自然と御打捨置れしに御利運の御事故つ |
J20_0298B29: | ひに慶長七年武州仙波喜多院無量壽寺へ天海を住職 |
J20_0298B30: | 仰付られ是まて國師の奏上により上意も御懇の事と |
J20_0298B31: | ものよし夫れより引つつき時とき御目通へ召出され |
J20_0298B32: | 又御法話なと聞せられしに元來智才無窮の仁其上公 |
J20_0298B33: | 武の事并宗門御取扱の事まで委しく國師より聞得ら |
J20_0298B34: | れし事なれは上樣の御意に叶候樣に何事も申上しか |