浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0569A01: | たのしまれしかば珍花奇草をあつめられ春秋の |
J19_0569A02: | 造化を觀念のたよりとせられしとなりされは大 |
J19_0569A03: | 夫旗下の士女説法聽受のためここに至りかへさ |
J19_0569A04: | の時は再ひ草花の約ありて送られしとそすべて |
J19_0569A05: | 今庭前に殘れる木草ともに憲廟桂君のたまもの |
J19_0569A06: | 多く鉢にておくり給へるをうつせるもあまたな |
J19_0569A07: | り |
J19_0569A08: | 祖塔蒼苔 |
J19_0569A09: | 開祖本譽上人を りし墳なり年百を過苔みとり |
J19_0569A10: | にたたみて暮風ただ哀色をのこす垣塵埃をへだ |
J19_0569A11: | ちて夢無常をしめす |
J19_0569A12: | かみの八は此所の境地にありて雅幽の良媒なり又遠 |
J19_0569A13: | 近を一瞬にうかべ壯觀を一時に爭ふは十景なり |
J19_0569A14: | 長傳幽鐘 麻廛炊煙 總山晩雲 赤橋行客 |
J19_0569A15: | 杜間流螢 芝峯層塔 海路遠帆 孤松膏雨 |
J19_0569A16: | 枯林宿鴉 春天紅霞 |
J19_0569A17: | この外は筆にしるさず希くは文人才子勝遊を春秋に |
J19_0569B18: | 愛し遠近を路亭にいとはずしてここに登躋し百景千 |
J19_0569B19: | 觀予がしるせる上に出て萬載の外に志を同ふせんこ |
J19_0569B20: | とを |
J19_0569B21: | ○閑居所跡 |
J19_0569B22: | 貞譽公元祿十二夘年より麻布隱室に閑禪念佛せられ |
J19_0569B23: | しかど同十七申年改元寶永證譽公隱棲せられうつられけ |
J19_0569B24: | るにぞ貞譽公官に奏達し田舍へ引こもり心靜に閑居 |
J19_0569B25: | し念佛增進せばやと乞れしかば永井伊賀守阿部飛驒 |
J19_0569B26: | 守上使として別に湯島大根畑にて閑居所を賜れり |
J19_0569B27: | 地所三千六百坪建家四百坪余 是一本松の模樣勝景の地を撰ばせられ |
J19_0569B28: | しとぞ此時又別に貳百石を賜へり |
J19_0569B29: | ○下屋敷 |
J19_0569B30: | 寬永三辰年九月十八日崇源院殿御荼毘所並御道筋を |
J19_0569B31: | 寺地に賜れり坪數二萬三千六十九坪余 龕前坊谷と云寬文元丑年其 |
J19_0569B32: | 地を淸揚院殿に進せられしかは代地として大崎村に |
J19_0569B33: | て賜はれり地中八寺あり是寺院の塔頭にあらず |
J19_0569B34: | △極善山即相院最上寺 東側北より始門より左 |