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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0569A01: たのしまれしかば珍花奇草をあつめられ春秋の
J19_0569A02: 造化を觀念のたよりとせられしとなりされは大
J19_0569A03: 夫旗下の士女説法聽受のためここに至りかへさ
J19_0569A04: の時は再ひ草花の約ありて送られしとそすべて
J19_0569A05: 今庭前に殘れる木草ともに憲廟桂君のたまもの
J19_0569A06: 多く鉢にておくり給へるをうつせるもあまたな
J19_0569A07:
J19_0569A08: 祖塔蒼苔
J19_0569A09: 開祖本譽上人を りし墳なり年百を過苔みとり
J19_0569A10: にたたみて暮風ただ哀色をのこす垣塵埃をへだ
J19_0569A11: ちて夢無常をしめす
J19_0569A12: かみの八は此所の境地にありて雅幽の良媒なり又遠
J19_0569A13: 近を一瞬にうかべ壯觀を一時に爭ふは十景なり
J19_0569A14: 長傳幽鐘 麻廛炊煙 總山晩雲 赤橋行客
J19_0569A15: 杜間流螢 芝峯層塔 海路遠帆 孤松膏雨
J19_0569A16: 枯林宿鴉 春天紅霞
J19_0569A17: この外は筆にしるさず希くは文人才子勝遊を春秋に
J19_0569B18: 愛し遠近を路亭にいとはずしてここに登躋し百景千
J19_0569B19: 觀予がしるせる上に出て萬載の外に志を同ふせんこ
J19_0569B20: とを
J19_0569B21: ○閑居所跡
J19_0569B22: 貞譽公元祿十二夘年より麻布隱室に閑禪念佛せられ
J19_0569B23: しかど同十七申年改元寶永證譽公隱棲せられうつられけ
J19_0569B24: るにぞ貞譽公官に奏達し田舍へ引こもり心靜に閑居
J19_0569B25: し念佛增進せばやと乞れしかば永井伊賀守阿部飛驒
J19_0569B26: 守上使として別に湯島大根畑にて閑居所を賜れり
J19_0569B27: 地所三千六百坪建家四百坪余 是一本松の模樣勝景の地を撰ばせられ
J19_0569B28: しとぞ此時又別に貳百石を賜へり
J19_0569B29: ○下屋敷
J19_0569B30: 寬永三辰年九月十八日崇源院殿御荼毘所並御道筋を
J19_0569B31: 寺地に賜れり坪數二萬三千六十九坪余 龕前坊谷と云寬文元丑年其
J19_0569B32: 地を淸揚院殿に進せられしかは代地として大崎村に
J19_0569B33: て賜はれり地中八寺あり是寺院の塔頭にあらず
J19_0569B34: △極善山即相院最上寺 東側北より始門より左

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