浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0552A01: | 題とも云つたへりそののち天明中紫雲歌によまれし |
J19_0552A02: | ありといへとも他師是を可とせす故に今ここにのせ |
J19_0552A03: | ず |
J19_0552A04: | 芝嶺深翠 閣前洪鐘 池邊怪巖 芝浦漁火 |
J19_0552A05: | 靑松曉鼓 宕山岧嶤 濱房炊烟 堂後檜杉 |
J19_0552A06: | 學窓村雨 古砌芳草 凾關晩雪 閑庭梅香 |
J19_0552A07: | 枯木寒鳥 赤羽潭水 品海歸帆 筑波晴嵐 |
J19_0552A08: | 孤松浸影 杜間宿烏 秩岳片雲 冲上遊鷗 |
J19_0552A09: | 白全神祠 霜後楓葉 竹林亂鶯 籬菊黄白 |
J19_0552A10: | 右天明中迎譽紫雲詠歌題之 |
J19_0552A11: | ○蓮池 |
J19_0552A12: | 『古記』云さよか池といふ天正中さよといへる女身 |
J19_0552A13: | を投しゆへ口ずさみ名くと云云『現譽公記』云蔡か |
J19_0552A14: | 池なり世俗さいをさよと誤れり周の代に叔度此國に |
J19_0552A15: | 侯たり沼多く紅白の蓮靈池にかかやき初夏の景色中 |
J19_0552A16: | 華に越たるかゆへに蓮多を蔡池と呼といへり『散善義』には分陀 |
J19_0552A17: | 利華を蔡華と稱す又『山雜記』云近來此島を芙蓉池と云しかれとも『字彚』の注に蓮は木芙蓉なりと今此池を芙蓉洲といへるはいかか又 |
J19_0552B18: | 或云此池をゆりが淵といへり一説云天正中にゆりといへる女麻布鳥居坂の邊りにすみ故 |
J19_0552B19: | ありて夫か死をこひかなしみつゐに一蓮托生をねかひ夫を葬して後此所に至り投身命果せりとなむ按るにさいゆ |
J19_0552B20: | り其縁相似たり思ふにゆりか方を正としさいは蓮 |
J19_0552B21: | 池の名を呼傳ふるなるべし又『現譽公記』に云今の |
J19_0552B22: | 赤羽橋の所もとは下高輪の渡塲なり東は飯倉村又岸村共 |
J19_0552B23: | 此村の内丸山の麓に池あり二月の頃は近郷の百姓も |
J19_0552B24: | みを浸して番をなすか故に池の内に少しの島をきづ |
J19_0552B25: | き稻荷の祠をかまへりこれ今幸社也と此説信すへし寶曆十 |
J19_0552B26: | 二午年六月十五日一莖並蓮生す |
J19_0552B27: | ○祥蓮池 |
J19_0552B28: | 護國殿の前の池也或記云寶永元申年紅白の二蓮並生 |
J19_0552B29: | せしかば常憲院殿渡御の時奉られしにぞ釋家の嘉瑞 |
J19_0552B30: | たるへしと上意ありしより名つけしとなむ |
J19_0552B31: | ○糸櫻 |
J19_0552B32: | 文昭院殿御靈屋の後にあり |
J19_0552B33: | ○圓座松 |
J19_0552B34: | 山下谷蓮池の端にあり一説云靈玄大和尚紅葉山より |