浄土宗全書を検索する
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巻_頁段行 | 本文 |
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J19_0526A01: | に掛錫し翌年智瑛上人の室に下向し修學聽講す延享 |
J19_0526A02: | 元酉年十一月尊譽大僧正の下に五重相承し同四卯年 |
J19_0526A03: | 冬宗戒兩脈を走譽大僧正に禀得す寶曆の末三島谷 |
J19_0526A04: | 四辻角に持寮し明和二酉年三月一字班に入り同七丑年 |
J19_0526A05: | 七月廿日『無量壽經抄』七卷を再役に開講し同八卯年 |
J19_0526A06: | 月行事にすすむ安永四未年五月十二日學頭職に補し |
J19_0526A07: | 冬十二月十六日命を奉し靈巖寺に住職す常に寺門の |
J19_0526A08: | 紹隆を心とし會下の同和を專らとす此時堂宇燒失の |
J19_0526A09: | 後なれば自力他力に再營をつとめ檀信歸依前代に倍 |
J19_0526A10: | せり天明四辰六月隱居師の高弟智應不律の事ありければ示權の職にたへずとなり是より |
J19_0526A11: | 諸方の名山勝塲を拜巡し獨錫孤行して山水風月をた |
J19_0526A12: | のしみとし七禪八定の閑棲をむねとして世縁の雜囂 |
J19_0526A13: | をいとはれける七年の間居を定めず雲遊月日をかさ |
J19_0526A14: | ねつゐに大崎村縁山の下邸の中に古堂あり鐘きを安 |
J19_0526A15: | 置し一人所居の糧なき所をもとめ此堂に孤居し唯禮 |
J19_0526A16: | 佛誦經に時をうつし西土往生を增進せらるるの外他 |
J19_0526A17: | 事なし爰に故ありて賢補佐君師の逸操なるを知しめ |
J19_0526B18: | され寬政二戌年十一月廿日不時に台命をつたへられ |
J19_0526B19: | 隱身より直に傳通院に住職せしめられ賜紫の光榮あ |
J19_0526B20: | り祐天大僧正牛島より直に大巖寺に命せられ住務ありしより前後この例なし隱遁閑棲より擢撰ある事實にかたし |
J19_0526B21: | ひさしく世をのがれ山里に隱れし身のはからずも |
J19_0526B22: | 又台命を蒙り紫の衣を賜ひて傳通院に住職しけれ |
J19_0526B23: | ば人びとみな法のためと賀し給ふを恥思ひて |
J19_0526B24: | 法のため引にひかれぬあづさ弓 |
J19_0526B25: | いまさら出るこころはづかし |
J19_0526B26: | おもひきやむかへの雲のむらさきを |
J19_0526B27: | けふ衣手の色に見むとは |
J19_0526B28: | すみそめを花のころもにぬきかへて |
J19_0526B29: | またも浮世のちりにけがさむ |
J19_0526B30: | 此春は思はずも傳通院にうつり年賀のために日日 |
J19_0526B31: | 駕を廻らし世縁おほくこぞの春にかはりし事を思 |
J19_0526B32: | ひ出して |
J19_0526B33: | おしなへて都はちりの〓たつ |
J19_0526B34: | こそそ戀しき山里のはる |