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J2820 三縁山志 摂門 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J19_0277A01: 三縁山志卷二
J19_0277A02: 會下三島中谷攝門編
J19_0277A03: 第三堂閣建縁
J19_0277A04: 本朝に所有伽藍造立の規則もと梵土の餘風たりとい
J19_0277A05: へともみな震旦の寺院を摸移せずといふ事なし然に
J19_0277A06: 時世沿革ありて道則又異あり債伽藍經營を勘考する
J19_0277A07: に元興法隆大安西大招提興福東大廣隆等をはじめ鑑
J19_0277A08: 眞道慈義淵良辦の開建は陳隋の制度にもとづき叡山
J19_0277A09: 東寺高野園城等の如き傳敎弘法慈覺智證等の創立は
J19_0277A10: 唐代の謨範をうつし建仁東福より五山十刹大德妙心
J19_0277A11: 鎌倉五山永平惣持等に至るまで千光聖一圓成宗燈大
J19_0277A12: 覺祖元道元懷弉等の所立は宋朝の淸規をうつし黄檗
J19_0277A13: 永源瑞聖佛國等の隱元圓應木菴心悅等の造れるは明
J19_0277A14: 國の制に憑據す此際に造立せる寺院數萬みなかれこ
J19_0277A15: れに准據し宗わかち法ことなりといへども會儀悉く
J19_0277A16: 同しからさるはなし我淨家の伽藍大に是に異なり四
J19_0277A17: 箇八ケの本山各表示ありて外國の風姿によらず今且
J19_0277B18: く當山の如き高樓雲に聳え丹靑相煥たるものは東照
J19_0277B19: 宮淨家を顯揚し蓮門を扶起し弘願の一法を萬歳に巍
J19_0277B20: 然たらしめ給へりしとき國師不殘の二師に地を點檢
J19_0277B21: せしめ靑山忠成をして土木の功を成ぜしめ給へり故
J19_0277B22: に不日にして七堂の全備三寶の蓮社落成をとなへ都
J19_0277B23: 鄙の壯觀となれり實に九品上界の道場八家十宗の冠
J19_0277B24: 刹なり其時國師上足の廓山了的に命して圓山の陰に
J19_0277B25: 堂を建門戸院宇の制を禪台の他宗にとらしめばやと
J19_0277B26: せられし時廓山ひとり議して云凡そ法林禪刹八家九
J19_0277B27: 宗の蘭若は此土の得道を本として龍會の曉天をまつ
J19_0277B28: 娑婆を寂光の淨土に即して自身を本有の如來と觀ず
J19_0277B29: 然は除暗遍照の爲に開く所にして出離厭欣の宗風と
J19_0277B30: 遙にことなり故に境地の秀雅を愛重し山林の勝景に
J19_0277B31: 衆をあつむかの豐嶺の霜餘長樂の花外に心うつりて
J19_0277B32: 他の嘉尚を盛とし詩歌文章の良媒をたのしむ般舟白
J19_0277B33: 蓮の遺珍豈是と等ふせんや今國家我宗を中興とし大
J19_0277B34: 師の遠德を仰き給ひて此靈境を賜へりかまへて他評

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