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J2760 略伝集 本会 画像

続浄の割書は、青字で小さく表示。

巻_頁段行 本文
J18_0573A01: 薩師台家の唯我翁密門の雲照公等皆和上を敬愛して
J18_0573A02: 常に道情を欣慰す上人淨業の餘暇和歌を詠して其志
J18_0573A03: を述ぶ未た嘗て師傳を得すと雖も咄嗟に語を爲して
J18_0573A04: 金聲り玉振ふ盖し字字皆般若句句皆解脱なれは也故
J18_0573A05: に當時詠歌を以て一世に名ある高崎正風税所敦子諸
J18_0573A06: 子皆交りを上人に得て其高風に服す余不敏學なく識
J18_0573A07: なし少壯仕官して日夜營營世務に奔走し冠を掛け刀
J18_0573A08: 筆を投すと雖もなほ資生産業匇忙として煩惱に堪へ
J18_0573A09: す然るに一たび上人に謁してより胸襟洗ふが如く恍
J18_0573A10: として光風霽月の間に逍遙するの思あり嘗て煩惱苦
J18_0573A11: に堪えさりし資生産業の營務忽ち優優として欣慰す
J18_0573A12: る所ある者に似たり爾來纔かに心胸穩かならざる境
J18_0573A13: 遇に際會すれば速に去て上人に謁す愈愈謁すれば愈
J18_0573A14: 愈慰し益益接すれは益益欣ふ嗚呼上人の人を感化す
J18_0573A15: る言説にあらず行業にあらず抑も之を名て何とか
J18_0573A16: 爲さん謂ゆる蕩蕩乎として名くること能はざる者歟
J18_0573A17: 然り而して今は永訣して既に十數歳を經たりそれ
J18_0573B18: 誰か復た余が煩惱を淨除せん上人の略傳を叙する
J18_0573B19: に及て今昔の感に堪ることなし門人從五位河瀨秀治
J18_0573B20: 謹誌
J18_0573B21: 上人曾て自ら記して云く誡性魯鈍好讀佛經恆縡講述
J18_0573B22: 其地山水其友花月求悟不能悟僅擧古人之所言以自娛
J18_0573B23: 京都大雲院得譽的門上人
J18_0573B24: 京都龍池山大雲院得譽忍阿上人眞像之銘併序。師姓
J18_0573B25: 高橋諱的門。後號即蓮社得譽忍阿。越中州富山人。
J18_0573B26: 父敎住。母高橋氏。文化五年戊辰誕焉。九歳喪母。
J18_0573B27: 投州守山極樂寺的山和尚剃染。十五歳留錫東京
J18_0573B28: 三縁山。從事大僧正寶譽公十年。禀承宗戒兩脉。
J18_0573B29: 天保元年庚寅。去遊西京。親炙專念寺順阿上人。
J18_0573B30: 西光寺十阿和上等。學術大進。又赴長門。謁法洲
J18_0573B31: 上人。研究精義。盖三師者名於當時自他推之。
J18_0573B32: 可謂善撰也。師年三十有四。華頂山大僧正方譽
J18_0573B33: 公。使師住持大雲院。院者貞安上人所創建。赫
J18_0573B34: 赫都下一大伽藍也。然而天明灾後。再造不竟。經

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